ネコ形土製品に会いに


郡山市の猫

 小田原の次は郡山ということでまあ忙しいブログだが、お金には限りがあるので一昨日の郡山散歩はJREポイントを使って行ってきた。JR東日本における在来線切符の電子化は未だ発展途上国並みだが、さすがに新幹線ともなるとモバイルSuicaで完結するよう設計されており、チケットレス割引も適用されて大宮〜郡山を9,240ポイントで往復できた。正規運賃は13,160円だからお得といえばお得だが、府中本町〜大宮の乗車券(往復1,288円)が別計算になる点は注意したい。
 気紛れを起こして出かけた理由は、以前から実物を拝みたいと思っていた「ネコ形土製品」が公開されていると知ったから。これは縄文時代中期〜晩期(およそ3〜5千年前)に製作されたとされる土器で、2000年に福島県西田町の遺跡から出土したものだ。現在我が国で最も古いとされているイエネコの痕跡はカラカミ遺跡で発掘された橈骨とうこつであり、これは弥生時代後期(およそ2,000年前)だそうだからそれよりも大幅に古い出土品となる。リビアヤマネコが家畜化したのが約9,500年前とされているので、縄文時代の日本にイエネコが渡っていても矛盾はないが、弥生時代以降の農耕型社会と違い、狩猟採集型社会の縄文時代において肉食獣は人間のライバルになるはずなので、たとえ存在していたとしても益獣とは見なされなかっただろう。ネコ形土製品も限りなく猫に見えるが、所蔵している郡山市教育委員会によれば「猫かどうかは分からない」のだそうだ。
 しかし個人的に俺はこれを猫と考えたい。狩猟採集型社会の縄文時代に産業動物としての猫は不要だったかも知れないが、アフリカで発生した人類が世界へ拡散するにあたって必要なのは海を渡ることであり、航海中の食糧を鼠から守るために猫を同伴していた可能性は高い。古代エジプトで猫は神格化されていたというが、古今東西を問わず航海に神様はつきものではないか。
 ……このテーマで書き始めると止まらなるので、今日のところはこのぐらいにして2021年2月23日の記事にリンクしておく。この日は府中本町を7:10に出発し、大宮で東北新幹線「やまびこ205号」に乗り換えて郡山には9:22に到着。展示会場の大安場史跡公園まではやや遠いので途中までバスに乗るつもりだったが、バスを待つという行為が我慢できず駅から歩くことにして、それがこの日最初の幸運となった。
郡山市の猫

 スタートから1分で猫発見。まさかこんな大きな駅の近くで会えるとは。
郡山市の猫

 しかしあちらはあまり嬉しそうではない。
郡山市の猫

 建物の陰に隠れてしょっぱい顔。
郡山市の猫

 次の猫も店先で張り込み中。
郡山市の猫

郡山市の猫

 大きなまだら模様の背中。これはブラックスモーク白というやつだね。
郡山市の猫

 実のところこの日の散歩は難渋して、ネコ形土製品の見学を挟んで20kmほど歩いたものの、距離に比して見かけた猫はとても少なかった。市街地の店先で2匹の猫に会ったあと、次の猫に遭遇するまでに1時間半を要した。11時時点の気温は2.7℃とそれほど寒くはなかったが、日差しがなかったので猫たちの多くはどこかで丸くなっていたのかも知れない。
 学校の敷地から現れた2匹もとても懐きそうには見えない。
郡山市の猫

郡山市の猫

 三毛はこの直後、見えなくなるまで逃亡。
郡山市の猫

 お、お願い、そのままでいて……。
郡山市の猫

 きれいな霜降りの茶色い被毛。しかしこちらも次の瞬間、見えなくなるまで逃亡。
郡山市の猫

 この日のハイライトはスタートから2時間半後、唐突に訪れた。高架下の民家で猫の家族が遊んでいるね。
郡山市の猫

郡山市の猫

 だいぶ手前で気づかれてしまった。カラーポイントがお母さんかな。
郡山市の猫

郡山市の猫

 君の家族はみんな逃げ足が速いね。君だけでも残ってくれて助かったよ。
郡山市の猫

「それはあなたの心がけ次第」
郡山市の猫

 じーっ。
郡山市の猫

 この猫拠点は珍しい。同じ家族と思しきグループに銀トラ(silver tabby)と灰トラ(blue tabby)の両方がいる。
郡山市の猫

郡山市の猫

 0.3秒ほど3匹揃って目線をもらえたものの直ちに散会。みんなまだ1歳にもならない子猫のようで落ち着きがなかった。
郡山市の猫

 この日最後の猫は藪の茶トラ。ほかにも大安場史跡公園の近くで1匹見かけたが逃げられた。
郡山市の猫

 この日は三連休の初日で、ネコ形土製品を一目見ようと全国から家族連れや研究者が殺到し、少なくとも3時間は並ぶのではないかと思っていたが、着いてみると俺以外に誰もいなくて拍子抜けした。念願のネコ形土製品は思いのほか小さく、顔を表すと思われる部分の横幅は5〜6cmほど。もしかしてこれは土鈴を作るつもりで丸めた粘土をくり抜かずに焼いたのではないかと思ったりもしたが、慌ててその考えを打ち消した。いやいやこれは猫なのだ!
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