谷保の外れの公園にたくさんの猫が住み着いていたのは10年以上も前のことで、当時を思い出す人はもうほとんどいないかも知れない。猫散歩を始めたばかりの俺は勤務先が立川だったこともあって、仕事の行き帰りに足繫くそこへ通ったが、全盛期と呼べるのはそれからわずか2~3年のことだった。ご飯の婆さんの健康状態に依存していたらしき猫たちは公園からすっかり姿を消し、わずかな残党は近所の民家で余生を送っている。猫たちが俺に懐いたことはもちろん、その兆しを見せたことすら一度としてなく、いつも不愛想にこちらを睨むので、その猫たちを一纏めにしてブアイソーズと呼んでいた。
今日は久しぶりにブアイソーズの残党が身を寄せる近所の民家を覗いてみた。日の出の遅い冬の間は時間的に厳しかったが、ようやく6時半でも写真が撮れるような明るさになってきた。
反対側に回り込んでみた。逆光だけどこちらの方が見晴らしはいい。
こいつに出会ったのは2012年11月。ここにはもう1匹の黒白が身を寄せているはずだが現在の安否は分からない。
隣の路地に回って気を引いてみたものの、頑なに警戒を解かない。第一印象が悪かったか。
でも前回より警戒度は下がっているかな? 表情も柔らかくなっている(ように見える)し、ちょこなんとして何かを期待しているようにも見える。ちゅ~るか何かで懐柔できないものかしら。