昨日の記事で少し触れた南国風の特徴を持つ猫の話。暑い地域の猫は放熱のため耳が大きく、アンダーコートがないので体型はスリムで顔が逆三角形という傾向があるようだ。俺の行動範囲では台湾でよく見られるほか、沖縄県の石垣島や竹富島でもそうした特徴を持つ猫に遭遇した(一例)。しかしこれらは興味を持って観察しなければ気づかないレベルの差で、犬の犬種による外見の違いに比べれば微々たるものだ。
イエイヌの祖先はタイリクオオカミとされているが、古代から続く徹底的な人為交配により、現代の犬種の多くは外見が原形から遠くかけ離れている。自然環境下では致死的転帰の原因となる形質を持つものもいて、生命活動を人間に依存せざるを得ない。
一方、イエネコの祖先はリビアヤマネコとされていて、イエイヌと同様に古くから人為交配が行われているが、ほぼ毛色の作出に留まっており、身体形状の改変にまで踏み込んだ猫種は限られている。野生型のキジトラに至ってはリビアヤマネコとの判別が難しいくらいだ。
したがってイエネコはその気になればいつでも自然環境下に戻れる性能を維持しており、現状、人間に依存しているふりをして怠惰に暮らしているのは、単にやる気の問題と考えることもできる。上げ膳据え膳の待遇でわざわざ不安定な狩猟生活を選ぶ者はいない。要するに俺はイエネコが家畜化していないのではないかと疑っているのである。
それはそうと今朝の散歩は寒冷前線の通過にぶち当たってしまい、風雨の強まる中、京王片倉~北野の3.6kmを何とか歩き切ったものの猫は1匹だった。ただその1匹は会いたい子だったので満足度は高かった。
急に雨が強くなり、車の下から出てこなくなってしまった。本当はもっと近寄れる子。
深い湖のような青い目と愛くるしい丸顔がたまらないので、今後はポンちゃんという仮の名前で呼ぶことにする。この子にはチーちゃんという本名があるけど、それを思い出す前に俺の脳裏にはポンちゃんが閃いてしまった。麻雀は好きだが関連はない。