今日は台湾猫旅の最終日。5泊6日という長い旅程を終えて、このブログが公開される19時(台湾時間18時)ごろ、俺はいつもの中華航空222便の搭乗を待っているはずだ。当初の予定より帰国日を一日延ばしたこともあり、中華航空のお姉さんに搭乗日の変更手続きをお願いした際、この便がかなり空いていることは電話の向こうの口調から伝わってきていた。とはいえ台湾便といえば常に混雑しているのが当たり前であり、搭乗日までにはほとんど埋まるだろうと思っていたが、出発前日にウェブサイトを見てみたら想像以上にがら空きだったのでかなり驚いた。数えてみたら277席あるエコノミークラスのうち152席が空いているのである。3月下旬といえば春休みのまっただ中であり、窮屈なフライトになることを覚悟していたので、ゆったり座れて嬉しい反面、航空会社の経営が心配になってしまった。台湾当局は外国人観光客を呼び込むため、個人訪台客に対して抽選で5,000元の給付金を支給するそうだが、外国人に対して自国通貨を支給するという施策はあまり聞いたことがない。日本は日本で国内旅行の需要喚起対策が続けられており、費用的にそれと被る台湾や韓国へ出かける人は少ないのかも知れない(後日訂正。空席が多いように見えるのは予約時に座席指定していない人が多いからと思われる)。
猫の方は6日間で200匹を目標にしているが、天気次第ということもあり、どうなるかは見当がつかない。帰国してからも桜が散っていなければ撮りたいし、ミモザやハマダイコンの猫拠点にも行きたいし、台湾で撮った写真をすべて紹介するにはかなり時間がかかると思う。もともと台湾猫旅はあちらの気候が穏やかな冬に行って、寒い日本でなかなか見つけられない時期を補完する意味もあった。
さて、今日の記事は昨日の続きということで、福生から続く長い散歩の最終回をお届けする。7:20に福生駅を出発し、川を渡って隣のあきる野市にたどり着いたのは2時間半後の9:50。かつて夥しい数の猫が暮らしていた猫民家を久しぶりに覗いてみると、残党と思しきまだらの黒白が玄関先に座っていた。
かつての仲間たちはどこへ行ったのか。逃げかけた猫から応答はない。
さらに歩を進めて八王子市へ。川べりの農業集落は春景色に変わっていたが、この日見かけたのは黒白が1匹。
とても近寄れそうにない顔つき。好奇心旺盛なキジ白や尻尾が立派なクリーム、会いたかったなあ。
散歩を終えたのは11時すぎ。1時間に1本しかバスの来ない集落を脱し、拝島から電車に乗る前に駅の周囲を一回りしてみた。キジ白3号に会いたくての寄り道だったが、自宅の前で舌を鳴らしても応答がなかった。
気配を察して物陰に身を隠したキジ白。いつもの手ぶらおじさんだよー、おいでー。
迷惑そうに目を細めるお馴染さん。前回も前々回も似たような顔つきなので、俺に対する評価は固定しているようだ。
子猫の時は積極的だったのに、大人になったらからっきし。ぜんぜん近寄らせてくれない。
2018年の子猫だから間もなく5歳。ここは拝島に住んでいたころからたくさんの猫が暮らしている場所で、当時借りていた一軒家のオーナーから買い取りを打診された時、迷わず買っておけば良かったと今でもたまに思う。その一方で黒煙ちゃんや武蔵と出会えたのは分倍河原に引っ越してきたからこそであり、結局人生というのはどう転んでも今ある環境がいちばん大切になってしまう。
拝島駅へ向かう前にもう一度キジ白3号邸を覗いてみると、今度はすぐに現れた。お昼寝していたんじゃなかったの。
通行人の多い路地を避けて、改めてご挨拶。今日は暖かくていい気持ちだねえ。
懐けば懐くほどカメラからは顔を背けるようになった。親近感は増すばかりだが写真は撮りにくく、嬉しいような悲しいような複雑な気分。
この日はとても頑張って、拝島のあとにもう一箇所、西立川のエビ邸にも立ち寄った。
気配を察して飛び起きたエビ子は問答無用で懐へ飛び込んでくる。この子も落ち着くまでなかなか写真が撮れない(動画はこちら)。
あんまり調子良さそうには見えないけど、もう寒くないから持ち直して。
エビ邸をあとにしたのは13時半近くになってからだった。6時間に渡る長時間の散歩は台湾猫旅に向けての試金石でもあったが、体力的にはさほどでもなかった一方、膝と腰の痛みは相変わらずで、帰国して落ち着いたら整形外科を受診する必要性を感じている。今のうちに対策しておかないと年を取ってから動けなくなるかも知れない。