夜勤を終えて帰宅してお昼すぎから仮眠すると、午後の気温上昇の影響をもろに受ける。今日は快晴というほどではないし、最高気温も22.4℃だったというから大したことはないはずだが、14時すぎに早くも暑くて目覚め、もう一度寝直してみたものの16時すぎには我慢できなくなって布団から這い出た。マコちゃんはこのぐらいの気温がちょうどいいらしく、帰宅しても駆け寄ってこないぐらい寝入っていたが、サチコは日なたぼっこに出てもあまり長居せず部屋に戻っていた。だいぶ痩せたので体の体積に対する表面積の比率が大きくなり、熱が奪われやすくなっていることに加え、運動不足や小食が拍車をかけているのだと思う。今の時期は炬燵に入ったり出たりを繰り返していて、サチコにとってはどっちつかずの微妙な季節のようだ。
猫の方は四国・台湾猫旅の連載5回目ということで、先月20日の猫旅2日目、二つ目の散歩地である暖暖の続きから紹介していく(前回の記事はこちら)。暖暖というのは基隆市に七つある行政区の一つで、風変わりな地名はかつて台湾北部に居住していた凱達格蘭族がこの地をnanaと呼んでいたことに由来している。この部族は文字を持たなかったため文化や風習はほとんど失われているが、地名にその名残を留めている点は北海道とよく似ている。ちなみに畳語の地名というのは台湾でも北海道でも珍しい方だと思うが、後者には千歳市内に美々という街があってアイヌ語の「小さな川がいくつも集まる場所」が由来とされている。
閑話休題。猫好きの来訪を察知したのか、暖暖猫は次々に車の下から現れるのできりがない。
こちらは台湾名物、スクーターと猫。いい感じにフィットしているね。
さっき近くで見かけたキジトラまで寄ってきた。みんな物怖じしないのねー。
暖暖の滞在時間は2時間。最初に台湾大哥大のショップで買い物をしたので実質的にはそれよりも短く、そろそろ駅に戻って電車を待たなければならない。だいぶお腹も空いていて、この細い路地の先に人気の小吃店があることは分かっているが常に混んでいて入りにくく、次の瑞芳で牛肉麺を食べられればそれでいいやと思い直した。初めてこの街を訪れたころはその小吃店にもたくさんの猫が集まっていたものだが(一例)、この日店内を覗いたら「請勿餵食野貓、野狗」と貼り紙がしてあったので、犬も猫も以前とは分布が変わっているかも知れない。去年来た時に見かけた馴染の黒白も出てこなかった。
こいつがいるのだから、ほかの子もどこかに隠れているのかも知れないけど。今はちょうど猫のお昼寝どきだし。
やや伏し目がちでこちらの様子を窺っている。落ち着いた雰囲気の子。
2019年11月に来た時、ここで2匹の若い猫に会ったけど、さすがに都合良くは出てこないね。まあでも今回はたくさんの仲間に会えて良かった。もし日本人観光客に心当たりがあるって子がいたら、君からよろしく伝えておいてね。
暖暖13:15発の区間車に乗り、次の散歩地の瑞芳に到着したのは9分後だから体を休める暇もない。ここでは散歩の前に遅めの昼食を取ることにしているが、瑞芳とて初めての台湾猫旅から毎回訪れている猫の巣窟で、駅を一歩出ればすぐに足止めを食うわけである。
この距離ですでに迷惑そう。でも見つけたからには撮るのが俺の使命なのだ。
黒白は人懐っこい。さすがに去年のことは覚えていないと思うけどね。
去年は雨だったけどやはりフレンドリーだった。観光客の多い駅なので人馴れしているのだろう。
駅のコインロッカーにリュックを預けていつもの食堂で牛肉麺を食し、街なかへ繰り出したのは14時ちょうど。10年来の猫拠点へ向けて細い路地を歩いていると、地面で寛ぐ黒に行き会った。
この路地を抜ければさらなる猫パラダイス。去年は雨で残念な思いをしたけど、果たして今年はどんな子が出てくるか、次回に乞うご期待!