同じ東京都でも島嶼の天気を気にしたことはあまりなかったが、先月来、御蔵島リベンジを企むようになってからは頻繁に天気予報を見るようになった。冬場の関東はよく晴れて乾燥する日が続き、息をするのも辛く感じるほどだが、1,000km近く離れた小笠原はともかく、本土から近い伊豆諸島でも天気予報はだいぶ違う。今月15~16日には御蔵島に再々チャレンジするつもりで宿や交通機関の予約を済ませているが、冬の本土では滅多に降らない雨が頻繁に予想されていて、また先月のように荒れるのではないかと心配になっている。散歩が困難なほどの悪天候ならキャンセルするほかないが、年明けから春にかけては猫旅の予定がいくつかあって、今月流れたら次はいつ行けるか見込みが立たない。今はただ祈るような気持ちで2週間予報を見つめているのである。
今日は夜勤の出勤前に調布から稲田堤にかけて11.2kmほどを自転車で回ってみた。中でも調布~京王多摩川はコース中盤の猫影が薄くなり、まばらになった猫拠点を徒歩で結ぶことが難しくなってきている。俺自身も以前より疲れやすくなっていて、シェアサイクルが普及していなければこのまま足が遠のいてフェイドアウトするところだった。
そんなコースを敢えて選んだのは会いたい子がいるから。この路地は「例の2匹」の生息地だが、あいにく今日は姿を見せず、代わりに2匹の長毛が佇んで鳴き合っていた。
フェンスの向こうは遠すぎて無理だし、シルバーの長毛は臆病すぎてやっぱり無理。飼い主の奥さんによれば2匹は兄弟なのだそう。
2匹の長毛を諦め、コの字型の路地を行って戻ると、気配を察した茶トラが縦格子の向こうからまろび出てきた。
……なので少し角度を変えてみた。15~16日の天気次第では、調布飛行場へ行くついでにここを散歩すると思うので、運が良ければ11日後にまた会えるよ。
駆け寄ってくる前の準備運動中。お互いに顔見知り程度の認識はあって、俺が猫懐っこいニンゲンであることはバレている。
せっかく近寄ってきた茶トラだったが、家の敷地に侵入してきた猫を追いかけて走り去ってしまい、それがお焦げさんと気づいた時にはもう誰もいなくなっていた。
それにしてもお焦げさんは舌を鳴らしただけで全力で逃げてしまうし、もうどう頑張っても歯が立たないような気がしてきた。元気にしているのは分かっているのに2年以上逃げられっ放し……。
調布市はおしまいにして、多摩川の向こうの川崎市へ向けて自転車を漕いでいると、逆光の路地をとぼとぼと歩く猫を見つけて急停止。そこの猫ちょっと待って!
茶トラ白は不思議そうな顔つきで待っている。ちょっとだけ写真を撮らせてくださいな。
日差しが強すぎて猫には眩しいのかも知れない。このあと再び日陰に隠れた。
気配は察しても眩しすぎて目が開かない。いつもの手ぶら撮り逃げおじさんですよ。
最後に見かけたのはボンネットで日なたぽっこ中の黒白。しかし砂利の駐車場なので、足音で逃げるだろうな。
案の定この直後、フェンスを越えて自宅の敷地に隠れてしまった。今日はこれでおしまい。