根子岳へ


日野市の猫

 西立川のとある工務店に三毛がいることを知ったのは2012年8月のことだったが、同じ毛色がもう1匹いることに気づいたのはその3ヶ月後。初めて会った時は冷淡だった2匹目がずいぶん懐いてくれて、姿を消す直前まで12年以上も付き合うことになるとは思ってもみなかった。エビ子という仮の名前はほとんどこじつけに近いもので、1匹目の三毛に初めて会ったのがちょうど朝ご飯の時間で、工務店の親父さんに蒸したエビをもらっていたことに因んでいる。なので本来ならエビ子の名は1匹目に授けるべきところ、早くに死んでしまったので機会を失い、その後親しくなった2匹目(本名チビ)に引き継いだという経緯だ。
 およそ2ヶ月ぶりにエビ邸を訪ねた昨日、待ち侘びていた様子の親父さんにエビ子の失踪を聞き、すでに1ヶ月ほど経過していることからもう帰らないだろうとのことだった。俺が最後に会ったのは昨年12月21日だったが、それよりずっと前からエビ子はくたびれ切っていて、恐らく俺のような猫好きが訪ねて行かない限り、ほとんど一日中寝て過ごしているものと思われた。何十mも離れた場所のシャッター音に気づく勘の良さは最後まで失わなかったものの、こちらに駆け寄ってくるスピードは次第に遅くなり、最後のころは後ろ足が覚束なくなってふらつくことが多くなっていた。年明けから2週間ほどでエビ子は最後の力を振り絞って旅立ったものと思う。
 去年8月にブログの定期更新を終えたあとも、古くからの知り合いには最後まで付き合うつもりで散歩を続けていたが、その1匹が早々にいなくなってしまって心に大きな穴が空いた気分だ。しかし「姿を消す」というのは外猫だけに許された猫らしい最期だとも思う。誰も知らない静かな場所に体を横たえ、やがてそこに花が咲き、季節が巡って種子がどこかへ運ばれるなら、子孫こそ残せなかったとしても生きた甲斐はあったのではないか。
 今日紹介するのは昨日の猫サイクリングで見かけた子たち。道中色々あって32kmも漕ぎ続けることになり、いくら電チャリといってもさすがに疲労困憊で当日中に記事を書くのは無理だった。
 久しぶりに寝坊助四天王に会えて出だしは好調。
日野市の猫

 のほほん顔のキジ白は去年7月以来。元気だったかー。
日野市の猫

 初めてこの家で猫を見かけたのは2012年7月に遡るが、この子の存在を知ったのは4年後の2016年8月。最盛期には4匹のキジ白が暮らしていたが、今はこの子だけになってしまった。
日野市の猫

 高みで充電中の猫発見。
日野市の猫

日野市の猫

 近寄ってみたら馴染のサビ。この朝は氷点下2.0℃と大した冷え込みではなかったけど、やっぱりお日様は恋しいみたいね。
日野市の猫

日野市の猫

 立ち去ろうとして振り返ると1匹増えていた。東向きの庇は猫の溜まり場だな。
日野市の猫

 こいつは初めて見る顔かな。最近あまり来なくなったから近況が分からん。
日野市の猫

 とある民家の縁側で三毛が寛いでいた。
日野市の猫

日野市の猫

 猫カップルの片割れに再会できたと思い込んで喜んでいたけど、帰宅してから確認したらよく似た別人だった。かといって初めてというわけでもなく、2021年6月以来だったことが分かり、それはそれで嬉しい。
日野市の猫

 次の三毛は嬉しいというよりも驚きの再会。そもそも住居すら残っていると思っていなかったので、久しぶりに訪ねてみて二重に驚いた。
八王子市の猫

八王子市の猫

 この子はさらに遡って2016年6月以来の約9年ぶり。そもそもここは徒歩で来るにはかなり不便な場所で、それ以前となると2014年12月2012年9月の計3回しかない。越屋根を備えたかつての養蚕農家であることにも初めて気づいたくらいだ。
八王子市の猫

 この子は蚕守りの末裔なのかも知れない。次来た時にまた会えるかなあ。
八王子市の猫

 昨年暮れからご無沙汰だったキジ白3号を訪ねてみた。本人はすでに転がっている。
昭島市の猫

 ここのところ気分が優れなくてなかなか動けなくてさ。2ヶ月近く経っちゃった。
昭島市の猫

昭島市の猫

 日差しが強烈すぎて目が開かないので日陰に誘ってみた。いつも付き合ってもらって悪いね。
昭島市の猫

 少なくとも17歳かそれ以上と思しきキジ白3号だが目力は強い。暖かくなってきたらまた来るからね。
昭島市の猫

 日野で借りたシェアサイクルを拝島で返す予定だったが、周囲のステーションに空きがなく、この先も青梅線沿線のステーションとなると中神しかないので、西立川のエビ邸に立ち寄ることを考えて立川まで乗り通すことにした。キジ白3号と別れた時点でスタートから3時間近く経っており、ケツと腰が痛くて辛かったがほかに選択肢はない。シェアサイクル返却難民と化したまま正午を過ぎ、エビ邸でエビ子の失踪を知らされたあとはサドンデス的に2匹の猫に遭遇してお開きとなった。
昭島市の猫

 細路地のトラ子さん。
昭島市の猫

昭島市の猫

 仮の名前をつけている猫たちの中では、キジ白3号とエビ子とトラ子さんを最後の砦のように思っていた。今回エビ子がいなくなったことで、かつて猫の巣窟だったこの街に残るのも、ここで暮らすトラ子さんほか数匹が最後ではないかと思う。たった10年でここまで変わるものかと今さらながら驚く。
昭島市の猫

 フェンスの向こうで茶トラ白が日なたぼっこしていた。
昭島市の猫

昭島市の猫

 近寄ったら快くモデルを引き受けてくれた。でもこの角度だと顔が陰になっちゃうね。
昭島市の猫

 気を引いたら出てきてくれるのも近所の人に可愛がられているからこそだろう。とりわけ人懐っこかったエビ子などは通行人の人気者で、姿を消したあとも訪ねてくる人が何人もいたそうだ。ちなみにエビ子にはエビを食べていた1匹目のほかにもう1匹の姉妹がいて、エビ邸の近所で大切に飼われているとのこと。
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