今日の記事は台湾猫散歩の7回目。
台湾最終日となる2014年12月24日、九份から金瓜石に至る山道を猫を探しながらふらふらして、金瓜石バス停(黄金博物館前)に到着したのは10時半。九份の宿から2kmあまりの距離を1時間半ほどかけて歩いたことになるが、これは坂道が多くて時間がかかったからだ。ここまでの経緯は前回書いた。
このあと海辺の八斗子までバスで下りるつもりでいたが、台湾のバス停には時刻表というものがなく、おおむね何分周期に来るかしか書かれていない。乗るつもりだったのは基隆汽車客運の788系統という路線だが、便によって経路が異なるようでもあり、閑散区間では運転士の気分次第で運転を打ち切ることがあるらしかったりと、言葉も分からない外国人旅行者が使うには敷居が高そうだった。帰国日は無理をしないことに決めていたので、バス停付近で待機していたタクシー運転手に「我想去ばーどぅーつー、OK?」などと交渉を試みたが、首を振って断られてしまった。どうやらここらのタクシーは九份や瑞芳の観光客輸送が専門で、ほかの街には出ないようだった。
そんなら一旦瑞芳に戻るしかない。瑞芳ならバスもタクシーも無数にあるので、もう少しだけ歩くことにして、路地の一つを下りてみると、早速猫が出迎えてくれた。
日本のスクーターは簡単に免許が取れる原付が多いが、台湾では、扱いやすくてスピードも出る125ccが普及しているようだ。
黒白はちょっと警戒モード。ごろーんを中止して離れてしまった。
桟橋方式の坂道を登り切ったところが金瓜石のバス停。この写真にも2匹写っているように、上から眺めてみると、山間に点在する集落の屋根や路地にたくさんの猫が見えたが、急な坂道を上り下りする元気は残っておらず、ちょうど到着したバスに乗って、瑞芳駅前に戻ったのだった。
瑞芳駅に着いたのは11時半。ここから八斗子に行く場合、深澳線の列車に乗れば10分で最寄りの海科館駅に着くが、あいにく11:20のが出たばかりで、次のは1時間近く来ない。帰りの飛行機は18:15発だが、前倒しできることはしておきたいし、台湾元も余り気味だったので、タクシーで移動することにした。
八斗子までの車中、人懐っこい運転手がにこにこしながら話しかけてくれたが、悲しいことに、何を言っているのかさっぱり分からない。曖昧な笑みを浮かべてうんうん頷きながら、「神は何ゆえにかくも多くの言語を創りたもうたか」などと考えているうちに海が見えてきた。海科館というのは国立海洋科技博物館の略。立派な建物の前に車をつけて、「ここでいいか?」と言っている風な運転手に、「好、好、謝謝」と運賃を払うと、掰掰と手を振りながら去って行った。ああっ、台湾の言葉を話したいっっ!
お昼どきの漁師町に着くと青空が広がっていた。適当な食堂を探しながら、潮臭い街なかを歩いていると、屋根の上で1匹の黒白が寛いでいた。
漁港を一回りして戻って来たら、ちょうど巡回に出たところだった。ちょっと追跡してみよう。
俺と同じように、食べものを探しているのかな。美味しいものはなさそうだねえ。
こちらは二毛で間違いないね。いわゆる麦わらというやつかな。ちなみに中国語で「麦わら猫」とか「サビ猫」に相当する言葉は見つからなかった。三毛は三色貓(サンスゥマオ)とか三花貓(サンホァマオ)とか言うみたい。
うちのマコちゃんと同じ茶渦白(レッドクラシックタビー白)。マコちゃん元気にしているかな。
どうやらここは猫路地だったようだ。草むらからこちらを窺っているのがいるね。
八斗子ではもう1グループの猫たちに出会ったが、構成の都合上、残りは最終回へと続く。