リビングで机に向かっていると、崖下の住宅街から様々な音が聞こえてくる。夕方にもなると野良猫が喧嘩して叫んだりもするが、それに反応するのは俺だけだ。サチコは膝の上で、マコちゃんはIKEAの猫ベッドで、それぞれ丸くなったまま微動だにしない。君たちは猫としてそれでいいのか。
今日は朝のうち天気が良かったので、久しぶりに福生の歓楽街に行ってきた。
最初の猫は、小便禁止駐車場で寛ぐサビ。
ずっと天気が悪かったので、こうしたコントラストの高い写真は久しぶり。眼窩に影ができて、怖い顔になっちゃうな。
ほかにも何匹かの拠点になっている駐車場だが、今朝はこの子だけだった。
薄い毛色なので分かりにくいけど、この子は泥棒鉢割れのクリーム白。このあと階段を下りてきて、そそくさと立ち去った。俺にはまったく懐かない。
歓楽街をぐるぐる歩いているうちに、徐々に雲が増えて日が翳ってきた。それでも日差しの余韻で出てくる猫はいる。
仕事帰りと思しき飲み屋のお姉さんに撫でられたりして、可愛がられているようだ。
かつて勤めていた猫バーが廃業して久しいが、今朝見たら、ついにテナントそのものがなくなって空き家になっていた。この街は景気が芳しくなく、来るたびに少しずつ寂れていく(リンク先は他所様の動画です)。
こいつは年齢不詳で、見た感じでもちょっと見当がつかない。以前はエンドレスにごろごろすりすり忙しかったが、最近はちょっと遊んですぐに休むようになった。
福キジ1号と別れたあとは、自宅に向けて散歩続行。時間の経過とともに雲が厚くなって、雨が降りそうな雰囲気だったため、急ぎ足で歩いていると、民家で毛繕い中の猫を見つけた。たぶん4月にも会った子。
次に見かけた茶渦白も4月以来。何か探しものかな。
「お皿が空っぽで。ええ、ええ、1日2回ですもんね、分かります分かります。ですが今はもう秋なのでね、たらふく食べないと。はあそうですか。いや困ったなこれは」
人懐っこい茶渦白は俺の懐まで来て、足元やカバンを嗅ぎ回っていたが、何も出てこないことを悟ると、諦めてどこかに行ってしまった。