マサイ族の視力が5.0だとかいう話を子供のころに聞いて、2.0でも見えすぎなのに、そんな視力がなぜ必要なのか不思議に思ったものだが、今なら分かるような気がする。2.0程度では遠くの動物とそうでないものを見分けられないからだ。今の視力は矯正で1.0か1.2ぐらいあると思うが、はるか彼方でうごめく物体が、風にそよぐコンビニ袋なのか、婆さんの白髪頭なのか、それともお散歩中の白猫なのか、見分けることは至難の業だ。分からなければ、そこまで歩いて行って確認するほかなく、それは多くの場合無駄足となる。
まあそんなことはどうでもいいんだが、連休最終日の今日は、久しぶりに横浜線猫行脚を一コマ進めてきた。最後に行ったのは去年5月で、それから8ヶ月もほったからしにしていたのは、決して忘れていたからではなく、職場が異動になって行きにくくなったからだ。しかも横浜線というのは全線に渡って丘陵地帯で、坂が多いため体力的にかなりきつく、猫も思うようには見つからず、半分イヤになったからでもある。今日行く気になったのは、正月休みが長くて暇だったのと、冬晴れなら見つけやすいだろうと期待してのことだった。
結論を先に書くと、今日の散歩は大盛況。一度に載せ切れなくなったので、今日と明日の2回に分けて紹介することにする。
横浜線猫行脚の第7回は中山から十日市場まで。最初の猫はスタートから15分後に遭遇した。
9時近くになってもまだ赤い日差しを受けて、茶渦白が気持ち良さそうに寝ていた。
茶渦白のあとは、例によって坂道の洗礼を受けることになる。丘の上の住宅街にたどり着いて、息も絶え絶えになって空を仰ぎ見ると、上からこちらを見下ろしているのがいた。
今日出会った猫の大部分がここに集結している。この写真には少なくとも6匹写っているが、全体数はそんなものではなかった。しばらくの間ここに留まって遊ぶことになったので、今日はその途中までを紹介しとく。
日なたぼっこ中のキジ白の並びには茶色いのもいる。こんな感じで至るところに隠れていて、全体数は分からないが、20匹ぐらいはいたと思う。
「何しに来たの? 遊びに来たの? でも知らない人と遊んじゃいけないってお母さんが言っていたよ」
母猫と思しき三毛は、踵を返してどこかへ行ってしまった。そういうことなら、もう少しここにいようかな。
さっき屋根の上にいた渦巻き模様の長毛も、いつの間にか地面に下りてきていた。
仕事で遅くならなければ、明日はさらに猫が登場する予定。十日市場はまだまだ遠い。