iPhoneの辞書で「猛獣」の意味を調べたら、「性質の荒々しい、肉食の動物」と出たので、我が家の2匹もたぶんそれに含まれる。なぜなら、各種申請書や契約書類、書状や紙幣など、大切なものをことごとく食いちぎり、障子を突き破り、廊下に脱糞し、明け方に遠吠えし、時には同居人に爪を立てて出血させるなど、小さな体で暴虐の限りを尽くしているからだ。そのような生き物と接するには細心の注意が必要なことは言うまでもなく、体格が大きくなるにつれ、危険度は自乗に比例すると考えなければならない。ニュースによると先日はライオンを洗って襲われた人がいて、今日はライオン舎を掃除していて襲われた人がいた。恐らくライオンとしては襲うつもりは毛頭なく、単にじゃれたか、軽く払った程度だったはずだ。なぜそんなことが分かるのかというと、本気だったら一瞬で喉笛をやられてお陀仏だからだ。肉食獣をなめてはいけないことぐらい、猫好きなら誰でも知っている。
今夜は3回続いた夜勤の最終回で、出勤前の散歩コースは慣れ親しんだ立川北~西国立。このコースは人妻三毛ちゃんの家に寄るのが定番になっているが、前回と同様、雨戸が閉じられ、前栽も荒れたままになっていた。住人に何らかの出来事があったことは明らかだが、このブログは猫ブログなので、そこには触れない。庭にわずかなカリカリと水が置かれていたので、人の出入りはあるようだ。三毛ちゃんは枯れた植木の向こう側で密やかにしていた。
いくら呼んでも出てこない三毛ちゃんを諦めて、線路の南側に回り、次に見かけたのは庇の上で寛ぐサバ白。
木陰の具合がちょうどいい感じ。気持ち良さそうに目を細めていた。
日中、日差しがあって気温が上がると、あんまり猫に会えないことを学んだので、ゆっくりちゃんに助けを求めることにした。ねぐらの手前の見張り番が暇そうにしている。
短く鳴きながら近寄ってきて、腰を下ろすと、長い毛繕いが始まった。
かつて七三ファミリーの憩いの場だった猫置き場は、骨組みだけで長いこと野ざらしになっていたが、先日ついに家自体が取り壊された。鉄骨のため木っ端微塵とは行かず、工事開始から1ヶ月以上経った今もまだ基礎が残ったままになっている。休工日を狙って何度も訪れているがいつも空振りで、母や婆さんの行方は杳として知れない。縄張りをうろつく俺を不審に思ったのか、近所の茶渦猫が様子を窺っていた。
この子はものすごく臆病な子。人目を避けて活動しているせいか、滅多に見かけない(6年間で4回目)。
案の定、ちょっと近寄る素振りを見せただけで、民家の庭の奥の奥まで逃げてしまった。このブログには滅多に登場しない茶渦(レッドクラシックタビー)だから、もう少しアップで撮りたかったな。
庭の奥に黒白の物体を認めたところ、たまたま出てきた旦那さんに挨拶して敷地に突入。10ヶ月ぶりの邂逅と相成った。元気そうで良かったよー。
ここの家は猫も人も気さくで、写真撮影のお願いをしたら、「おーい、牛くーん、写真撮りたいんだってさー」と快く招き入れてくれた(「牛くん」はチョビ1号の本名)。皆様あっての一日一猫でございます。