梅がきれいに咲いているころだろうと思い、昨日は早起きして小田原へ出かけてきた。
小田原で猫を探すのは今回が初めてではなく、2014年3月にも早川〜小田原を散歩している。猫にはそれなりに会えた反面、かなりの距離を歩いた気がしていて、それをもう一度繰り返すか、それとももう少し足を延ばして熱海あたりまで行くか、事前に悩んだが、結局前回と同じにした。熱海にもたくさんの猫がいることは職場の同僚に聞かされていたが、坂が多くてヘタレそうな気がしたからだ。
家を出たのは5:50。分倍河原で乗り換えた南武線は以前より混雑度が増していて、この時間帯でもすでに立ち客がいっぱいで座れない。頼むから少し寝かせてと心の中で祈ってみたが、目の前の席が空いたのは武蔵溝ノ口。3駅だけ座ったあと武蔵小杉で東海道線直通の中電に乗り換え、スタート地の早川駅に降り立ったのは8時半だった。
最初に結論を書いてしまうと、この日は逃げられまくる日で、見かけた猫に対して撮影に成功したのは半数以下。漁港にも寄ってみたが猫の子一匹見当たらない。最初の猫に遭遇するまで15分ほど歩かなければならなかった。
この写真には2匹写っているけど分かるかな。
上のキジ白は壊れかかった庇の上。黒白は土間。どちらもとっくにバレているのだった。
ここへ至るまでに2匹逃げられていて、こいつもカメラを向けた途端こんな感じで風前の灯。猫道は厳しい。
猫はこちら。ちなみに上の写真にはもう1匹、民家の敷地へ逃げていく猫が写っている。
逃げ込んだと見られる民家を覗こうとしたら、門柱の上にも乗っかっていた。いきなりしゃかしゃか聞こえてきたので、のけぞってしまった。
長毛茶トラの傍らにも小さいのがいたが、目が合うなり地面に飛び降りて見えなくなった。どうやらここは猫の巣窟のようだ。
さっきの民家から魚料理の店先まで、数十mの間に何匹の猫が路地を横切っただろうか。俺は一度にたくさんの猫を見ると、どうしていいか分からなくなってしまうため、それらのほとんどを取りこぼし、何とかカメラに収まったのは黒白1匹。
その黒白はとても人懐っこくて動きが止まらず、飽きたころになってようやくもう1枚。俺はカメラマンではないので、こういう展開になると、写真を撮るより撫でくり回す方を選ぶ。
10匹以上スルーして、最後に振り向くとダメ押しの2匹がいた。
大白斑はすっ飛んで逃げて、最後に残ったのは泥棒鉢割れのキジ白。今度ここに来る時は、もっと人の少ない朝早くにするよ……。
小一時間ほど早川駅周辺を歩き回ったあと、川を渡って市街地へやって来た。何となく迷い込んだ歓楽街の路地で、巡回中と思しき黒発見。
足早に立ち去る黒のあとを追うと、飲み屋の壁際に長毛茶トラ白がひっついていた。
一回りして戻ると、香箱を組んで目を閉じていた。穏やかな顔を眺めているうちに、たくさんの猫に逃げられて折れかかった心が癒されて、また小田原に来てもいいかなという気になった。