日の出の早いこの季節は朝の散歩が楽しくて仕方がない。仕事の方も先月から日勤を多めにしてもらっていて、朝の散歩で行きたかった場所を一つずつ潰しているところだが、今朝はその中から、京王高尾線の狭間駅~中央線の西八王子駅を歩いてみた。
この区間を歩くのは初めてではないが、過去2回とも夜勤前で(こちらとこちら)、猫探しには最も不利な正午過ぎのスタートだったため、期待したほどの成果は得られなかった。しかし街並みをつぶさに観察すれば、そこが猫パラダイスであることは明白で、猫たちが活動的になる朝夕に散歩する機会を窺っていたのだった。歳を重ねるごとに、外せば休載となる開拓散歩は怖くてなかなかできなくなってきたが、このコースには魅力的な社寺もあり、爽やかな今の季節なら、歩くこと自体を楽しむことができる。
狭間駅に降り立ったのは6:25。南浅川の河岸断崖に沿って建つ住宅を階段で抜け降りて、最初の猫を発見したのは、出発から8分後のことだった。
近くで会えれば懐いた子かも知れないが、この距離ではどうにもならん。
広い砂利の駐車場を見渡すと、地面と庇に1匹ずつ発見。やっぱりいるんだな、この街。
地面の茶トラ白も、一歩前に出たら見えなくなるまで飛んで逃げた。猫道は厳しい。
今朝は駐車場の猫率が高かったが、どれも逃げ足が速くて歯が立たない。辛うじてボンネットの上のキジトラをカメラに収めた。
なお、車の下にも黒白がいたが、目が合っただけで見えなくなるまで逃亡。猫道は厳しい。
おっぱいが張っているのでお母さん猫だったみたい。痩せぎすなのは出産後だからかな。
こちらを見上げながら、少しずつ近寄ってくる。子供たちのご飯を探しているのだとしたら、ごめんね、咥えて運べるようなものは持っていないんだよ。
このあたりの地形がよく分かる写真。今でこそ斜面に家屋が犇いているが、昔は炭焼き小屋くらいしかなかったのではないだろうか。
寄り目の黒は近寄ると静々と逃走。茂みの向こうで固まっている。
江戸時代、この寺の池はヒキガエルの産卵地になっていて、繁殖期には地面を埋め尽くすほどの数となって大合唱を始め、その様子は「関八州の蛙合戦」と呼ばれていたそうだ。宅地化の進んだ現在、ここで蛙の声を聞くことはなくなり、時折近所の猫がぶらりと立ち寄るくらい静かになった。
……と近所の奥さんが教えてくれた。