毎日のように猫を探しながら歩き回っているので、寝ている時も当然猫を探す夢を見るわけである。夢に出てくるのはたいてい子猫で、カメラを持つ俺に気付くなり、蜘蛛の子を散らすように逃げてしまって歯が立たない。中には好奇心が旺盛なのもいて、一歩引いたところで隠れていると、物陰から顔だけ出してこちらを見つめたりもするが、夢なので思うようにシャッターボタンが押せない。四苦八苦するうち、夢であることに気付くと、もうそこに子猫の姿はなくなっている。取り残されて周囲を見渡せば、そこは緩い坂に面した農家の納屋だったり、煉瓦アーチの水道橋だったり、時には大きなバナナの木の下だったり様々だ。
今朝の散歩は調布から京王多摩川までの5.1km。風が強くて猫探しには向かない朝であり、不慣れなコースは厳しいかと思ったが、蓋を開けてみるとそうでもなかった。
6月にも見かけた可憐な黒白が今朝もいた。
黒白が門扉の向こうへ引っ込んでしまったので、その辺を一回りしていると、砂利の駐車場に2匹の猫がいた。
一回りして先ほどの路地に戻ると子猫がいた。可憐な黒白はお母さんだったのね。
みんな遠巻きに眺めるだけで、なかなか近寄ってこない。夢に見た通り一旦引いて待ってみようか。
いちばん臆病な麦わらちゃんは逃げてしまい、残ったのは好奇心に勝てない男子が2匹。
賑やかな子供たちと別れてさらに15分。民家の敷地から猫が出てきた。
巡回から戻ってご飯待ちへ移行。毛色は一見するとキジトラのようだが、左目の上にわずかにレッドが混じっているので、二毛だと思う。
距離を詰めると身構える。今ならモデル料を弾むけど、やっぱりダメですかね。
説得の甲斐なく民家の敷地に引っ込んでしまい、その勢いでもう1匹も逃げてしまった。これは夢かうつつか幻か……。