今年は天候が不順で、秋らしいスカッとした青空をほとんど見ない。猫を探しに遠征する時、いつもなら何日も前から「晴れますようにー」と願うものだが、今年は雨さえ降らなければ御の字。熟した果実や紅葉と青空のコントラストを楽しむことは、もうほとんど諦めている。
今日は三連休の中日。来月は台湾旅行で六連休を取るので、次の三連休となると恐らく12月までない。こんな貴重な日に出かけない手はなく、秋になったら行こうと思っていた奥多摩猫集落を半年ぶりに訪ねてきた。拝島時代は気軽に行けた奥多摩も、すっかり足が遠のいて、最近は春と秋の年2回、定例的に訪れるだけになっている。猫たちの動向を把握することも難しくなり、いくつもの猫拠点で姿が見えなくなっていた。猫の面倒を見ていたのはほとんどが高齢者で、90歳を超える人も珍しくなかった。そうした家を一つ一つ訪ねて歩いて、住む人の気配が消えていることを知り、もう二度と会えないであろうことを確認する、淋しい散歩でもあった。
青梅駅前からカーシェアリングの車に乗り、奥多摩駅前に到着したのは7:50。かつてたくさんの猫で賑わっていた小路はひっそりとしていて、はなちゃん邸の門戸も固く閉ざされたまま人の気配も猫の気配もない。信州の高等女学校を出て氷川へ嫁いできたという婆さんは、もうあの世へ行ったのかも知れない。結局ここで最初の猫に会ったのは、駅からだいぶ離れた路地でのことだった。
一定の間合いを取りつつも、キジトラは興味津々という顔つき。あんまり怖がらないということは、きっと可愛がられているのだろうな。
「ここにはまだたくさんの猫がいるけど、会えるかどうかは君の心がけ次第だよ」
シャイな黒は机の下から出てこない。いるかどうかもよく分からない。
……と思ったらさらに1匹。ここ、今までもたまに猫を見かけていたけど、こんなにたくさんいたんだねー。
長毛キジ渦は物怖じしない子。氷川というのは意外にクラシックタビーが多く、俺の知る限りほかに3匹いるが、長毛は初めてかも。
一つ目の猫拠点をあとにして、高台のとある民家へやって来た。この写真には黒が1匹写っているけど、小さすぎて分からないかな。
濡れ縁に大白斑の三毛。これだけ大きな白斑は珍しいね。ティッピングも入っているように見える。
濡れ縁に猫が増えたところで紙幅が尽きた。残りは折を見て紹介するが、仕掛かりが溜まってきているので、しばらくあとになるかも知れない。