当たらないと分かっていても、渡航1週間前にもなるとやはり気になって、つい見てしまう台湾の天気予報。初日の台北は、最も信頼性が高いと思われる日本気象協会が晴れ、地元の台湾中央氣象局では曇りと出ている。毎日ころころ変わった挙句に外れるのが常なので、どちらも当てにはしていないが、1月に行った時のように、絶望的に雨に祟られることは避けられそうだ。その代わり、11月の台湾が本気を出せば、余裕で30℃を超えてくるわけで、それはそれで猫探しに差し支えるから悩ましい。
一方、日本の東京は雨がちで、今日も朝から降ったり止んだりを繰り返している。雨の間隙を縫って出かけられれば良かったんだが、あいにく午後からはほとんど降りっ放しで、夜勤前の猫散歩は断念した。今日はずっと載せられずにいた、先月4日の輪島猫散歩の続きを紹介する。
散歩開始から30分のうちに20匹以上の猫に会い、さらに数匹の子猫と思う存分戯れて、舞い上がりつつ漁港へ足を運んだところまでが前回。とある民家から顔を覗かせていたのは、大きな三毛と小さな三毛だった。
地面に落ちた緩衝材に興味津々。突っついたり嗅いだりしている後ろに、茶トラ白の子猫が控えている。
「うちは大家族だから賑やかなの。良かったら子供たちと遊んで行ってらして」
子供たちはじゃれ合って遊んでいる。傍で様子を眺めている大きな猫は年子の姉かな。
大人たちは少し離れた場所で寛いでいる。さっき近所の路地でサバトラ(青トラ)の子猫を見かけたので、この地に希釈遺伝子が存在することは分かっていたけど、やっぱりここにもいたんだね。
そろそろ船の時間だから行かなきゃ。この街にはまた来たいけど、冬の北陸は天気が不安定だし、やっぱり春にならないと無理だろうなあ。
船の出港時刻は9時ちょうどだが、10分前には乗船を締め切るそうで、それまであと20分しかない。この分だと700mほど離れた船着場へ行く間にも猫に遭遇する可能性が高く、早目早目の行動で歩いていると、案の定、道端で草葉の匂いを嗅いでいるのに行き会った。
乗船締め切りまであと10分。とある路地を近道していると、道端に3匹の猫が佇んでいた。
尻尾の下に立派なものが見え隠れしている。家族という感じではなかったので、ナンパに現れたのかも知れない。
路地の奥の黒は、そんな俺たちの様子をじっとしたまま見つめていた。
本土の猫はこれで終わりで、最終回の次回はいよいよ舳倉島の猫を紹介することになる。といってもこの島は、世界有数の渡り鳥の休息地として有名ではあるものの、猫の島ではまったくないため、想定よりだいぶ苦戦して、1匹目に会うまで島を1周半、2時間もかかってしまった。最終的にはそんな苦労も吹き飛ぶことになったわけだが、どんな出会いだったかは次回のお楽しみということで。