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2018-12-04
台湾の東西南北の猫(5)

 漢字の読み書きは得意な方なので、台湾華語の字面じづらはだいぶ分かるようになってきたが、発音が壊滅的にダメなので、言葉でコミュニケーションすることがほとんどできない。今回特に困ったのは地名で、列車が遅延したりタクシーに乗ったりして、相手に行き先を伝えたり、聞き取ったりしなければならない時に、なかなか上手くできなかった。台湾華語は繁体字なので画数が多く、筆談するにも時間がかかるし、かといって急いで走り書きにすると、お互いに解読不能になってもどかしい。同じ漢字の国同士とはいえ、せめて目的地の地名くらいは言えないと、いざという時にとても困ることを実感した。ちなみにローマ字読みはほとんど通じなかった。例えば瑞穂という駅名は、駅名標に「Ruisui」と書かれているし、英語の車内放送でもルイスイと発音しているが、それだと地元の人に通じない。
 台湾猫旅2日目(11月13日)の朝は、その瑞穂駅へ向けて散歩しながらの猫探し(前回の記事はこちら)。台東線の築堤に差しかかったところで、瑞穂から乗るはずだった莒光号が通過していき、こうなったら急いでも仕方がないので、ちんたら歩いて線路を越えると、小さな茶トラ白がこちらを振り向いていた。
瑞穂郷の猫

 これは可愛らしい子猫ちゃん。俺、列車に遅れちゃったので、慰めておくれよ。
瑞穂郷の猫

瑞穂郷の猫

 しかし、建物の隙間に逃亡。きょとんとしてやがる。早すぎたんだ!
瑞穂郷の猫

 瑞穂温泉から4.8kmの道のりを1時間半かけて瑞穂駅に到着。駅前で手持ち無沙汰にしているタクシーに声をかけると、浅黒い顔のおばちゃんが顔を出して「去哪兒どこいくの?」と聞く。去哪兒は俺が聞き取れる数少ない台湾華語であり、ここぞとばかりに「我想去玉里ユーリー!」と返したらまったく通じなかった。仕方がないのでメモ帳に玉里と書いて見せると、「啊、イッリーね」と頷いた。少なくとも俺にはそう聞こえた。台湾語ではGio̍k-líと発音するそうだが、どう読めばいいのか分からない。もしかして、日本語の音読みでギョクリと言えば良かったか?
 せっかくタクシーに乗るなら上客でありたいが、瑞穂〜玉里の20kmがどうなのか、阿美アミ族と思しきおばさんの横顔からは読み取れない。日本人とはだいぶ違う運転操作にドキドキしながら、時にロードサイドに現れる派手な檳榔西施に目を奪われる。黄色いタクシーは70〜80km/hの速度を保ち、9時すぎには玉里駅のロータリーに滑り込んだ。この街を訪れるのは2017年1月以来、二度目となる。
 瑞穂で時間を食ったため、玉里を散歩できるのは1時間20分ほど。前回来た時、たくさんの人と猫がいた市場へと急いでいると、道端でお昼寝中の猫を見つけた。
玉里鎮の猫

玉里鎮の猫

 呼んだら飛び起きたけど、何となく寝ぼけまなこ。
玉里鎮の猫

 「お前は見かけない顔だな」
玉里鎮の猫

 へっぴり腰で近寄ってくる。基本的には人懐っこい子のようだけど、いきなり外国人に起こされたら、そりゃびっくりするよねえ。
玉里鎮の猫

玉里鎮の猫

 たどり着いたのは市場の外れのとある廟所。光の加減が良くなくて、黒いのが見えにくいかも。
玉里鎮の猫

 前回来た時は黒が2匹いたが、そのどちらなのか、あるいはどちらでもないのか、真っ黒なだけに判別不能。
玉里鎮の猫

 よそ者の気配を嗅ぎつけたのか、どこからかキジトラが近寄ってきた。
玉里鎮の猫

玉里鎮の猫

 遠巻きに様子を見つつ、尻尾ぴーん。今回の猫旅は人懐っこい子が多いのでとても楽しい。
玉里鎮の猫

 もう1匹、赤茶けたキジトラが駆けてきた。ここの猫はみんなよく鳴くね。
玉里鎮の猫

玉里鎮の猫

 こちらも遠巻き。ご飯の人と勘違いして集まっちゃった?
玉里鎮の猫

 「君が美味しいものを差し出せば済む話なんだ」
玉里鎮の猫

 そんな俺たちのやり取りを、まったり眺めているのもいた。
玉里鎮の猫

玉里鎮の猫

 とてもきれいな毛並みの子。細かな模様が見えるが、これはブラウンティックドタビー、つまり霜降りに分類するのがよろしいかと。
玉里鎮の猫

 最後に今回の猫旅の中間集計を。初日(11月12日)に会った猫の数は、台北市南港区で4匹、新北市瑞芳区で10匹、基隆市七堵区で8匹の計22匹。全体を通して最も多かったのは瑞穂温泉からスタートしたこの日(11月13日)で、写真の数から割り出したところ、連載6回分にもなる見込みだ。曇りがちで日差しがなかったのが良かったのだろう。
 次回の記事では玉里鎮から台東市へと進む予定。
玉里鎮の猫