妻が聴いていたCDにDizzy Miss Lizzyが入っていた。他の多くのロックンロールと同様、この曲はコードを3つ覚えれば弾けてしまうので、ウクレレで練習してみたらいいじゃないと提案してみたが、絶対にイヤだと言って受け付けない。15年近く前、夫婦二人とサチコで秋津の家に暮らしていたころ、妻が自室でウクレレを練習していたら、窓越しにそれを聴いた隣の家の息子に失笑されたらしく、それ以来二度と楽器に触らなくなってしまった。隣の家の息子はヴィオラを演奏する人で、毎年秋になると第九のうにゃうにゃしたところ(内声部)を練習していたので、どこかのアマオケで活動していたのだろう。普通、音楽をやる人は他人の演奏を嗤ったりはしないものだが、妻がよほど珍妙なコードを弾いて、我慢できなかったのかも知れない。
そんなことがあって、潜在意識に秋津が刷り込まれたせいか、今朝の散歩コースは2ヶ月半ぶりに東所沢〜新秋津を選んだ。気温が上がることは天気予報で周知されており、日が高くなってしまうと、猫が隠れてしまうだけでなく、俺の体力も持たないことは明白だ。そのため普段の日勤と変わらない5:50ごろ家を出て、6時半前には散歩を開始したが、猫は早くも車の下に退避していた。
定点の猫農家には猫影はなかった。かつてたくさんの猫たちで賑わった広場には、生き物の存在を示すものは一切残っておらず、周辺を探し回るまでもなく、猫の姿が完全に消えたことが察せられた。
大方予想がついていたこととはいえ、現時点ではそこを通らないと次の拠点へ向かう道順が分からない。強い日差しの下をさらに歩いて、門扉の下からこちらを窺うクリーム鉢割れに遭遇したのは、猫農家から20分ほど経過したころだった。
同じ建物の表側に回ると、小柄な茶トラが難しい顔で佇んでいた。
鉢割れクリームや茶トラ女子の猫拠点には、もう1匹、肉食系三毛ちゃんが暮らしていたんだが、ここのところ会えずにいてもう10ヶ月になる。付近を探し回ってみたが今日もダメで、がっかりして歩いていると、視線のはるか先を猫が横切った。
去年の夏と同じパターンだけど猫違い。待ってくれー。
キジトラの後を追って緑地に入ると、お散歩中と思しき三毛に行き会った。
その場に留まって様子見開始。この子はここらで時々見かける子。
隣の年家の庭には茶トラの背中。三毛ちゃんもこの家の子だと思う。
県境を越えて埼玉県所沢市から東京都東村山市に入る。時刻は8時ちょうどで気温は20℃を超えた。猫の巡回もそろそろ店じまいかな。
ここは秋津時代に住んでいた家の近く。狐みたいな尻尾の猫がこちらを見つめていた。ほかの猫とケンカでもしてきたか。
この子に会うのは初めてではなく、2015年10月にもカメラに収まっているほか、その後も一度見かけて逃げられた覚えがある。俺の行動範囲では唯一のアビシニアンのブルーだ。
散歩の最後はとある猫民家のキジ白。ここで猫を見るのも久しぶりだった。
八王子アメダスでは今シーズン初の真夏日となる30.0℃を記録し、人間には暑すぎたが、我が家の2匹はまったりしてリラックスした様子だった。猫にはこのくらいの日に日陰で寛ぐのがちょうどいいのだろう。