昨日の多摩川(石原水位観測所)は、氾濫危険水位の4.90mを遥かに超える6.24mまで増水し、すり切り満タンというところまで行ったが、俺の住む街はすんでのところで浸水を免れた。我が家では16時ごろ避難行動を開始し、風雨がほとんど収まった23時すぎに帰宅。今朝は普段よりやや遅い6時半に家を出て職場へ向かった。
電車は止まっていたが、台風15号の時と同様、中河原駅まで自転車で行って、そこから徒歩で関戸橋を渡り、聖蹟桜ヶ丘駅からバスに乗るパターン。もちろん猫を探しながらの出勤だが、さすがにあれだけの嵐のあとではそうそう見つからず、逃亡4匹、カメラに収まったのが2匹という結果だった。
病弱の妻と2匹の猫を伴っての避難は容易ではなかったが、それでも逃げる決断をした理由は、次のような事象が複数同時に起きる可能性があったからだ。(1)多摩川が氾濫危険水位を越え、引き続き上昇傾向にあった。我が家の周囲はハザードマップで0.5~3.0m未満の浸水が想定されていた。(2)予想されている最大瞬間風速が60m/sで、家屋が破壊される可能性があった。(3)台風15号の例から、長時間に渡り停電する可能性があった。浸水と暗闇が同時に訪れた場合、平常心を保って行動できる自信がなかった。
死なないようにするためには、暴風でも破壊されない、2階建て以上の施設に移動することが必要で、それには府中市が一次避難所として事前周知している、自宅近くの小学校が最適と思っていた。ところが実際に避難勧告が出てみると、避難所になるはずの小学校がリストに入っていない。ペットの扱いについても、市のウェブサイトに謳われている「同行避難で人とペットの安全確保」といった美文とは裏腹に、「台風19号に伴うお知らせ」にはペット入室不可と書かれている。地震災害ならまだしも、風水害で避難するのだから、屋内に入れてもらわなければ意味がない。予想外の展開に、必死に脳内シミュレーションを繰り返した結果、避難所を利用することは諦めて、車を借りて近所の立体駐車場へ逃れることにした。避難後の細かいことは長くなるので省くが、当てにしていた某ショッピングモールの立体駐車場が満車で、利用者の多くがペット連れだったことには心底驚いた。最終的にはとある総合病院の立体駐車場に落ち着いたが、そこにも大型犬と一緒に嵐をやり過ごす人がいた。世の中に「ペット難民」とでも言うべき人々が存在することを初めて知った日だった。