猫を探して住宅街を歩いていると、いきなり犬に吠えられて、びっくりして飛び上がりそうになることが時々ある。あちらは不審者に向かって吠え立てるのが使命であるから、大人しくその場を離れればそれで済む話だが、中には24/365で吠え続けるのがいるから困ってしまう。旧居の平山で引っ越しを考えていた時、今住んでいる分倍河原の家のほかにもいくつか候補あって、その中に福生駅近くの4階建てのマンションがあった。青梅線の線路端で(鉄オタなのでこれはプラス面)、ペット可で、最上階の角部屋で、広いルーフバルコニーがついているという魅力的な物件だったが、エレベーターがないのが玉に瑕だった。自分の足で上り下りして決めようということになり、夫婦で物件を見に行った結果、階段はそれほど問題ではなく、近隣の部屋の窓辺に猫が佇んでいたりもして、すっかり気に入ったんだが、隣の部屋の犬がのべつ幕なし吠えていたのが問題になった。猫と違って犬はちゃんと躾けないと共存が難しい。俺は交替勤務なので昼間に寝なければならず、生活に支障を来すだろうことは容易に想像できた。それにしても何が不満でああも吠え続けるのだろうと、最後の方は笑ってしまうくらいだった。あれでは台湾の野良犬の方がよほど紳士的だ。犬を飼うという行為は、一般的に考えられているよりも、技術的にかなり難しいことなのではないだろうか。
今日の散歩は京王稲田堤から京王よみうりランドまで。当初は南武線の矢野口まで歩くつもりだったが、稲田堤付近の猫がまったく見当たらず、このままでは休載になると思い、途中で目的地を変更した。
1匹目はとある猫民家で見かけたキジ白。
一旦引いたら様子を見に出てきた。こうした猫との駆け引きはとても面白い。
で、近寄るとまた引っ込んでしまう。ちなみにここにはもう1匹、小麦色の相方がいるが、最近しばらく見ていない。
二毛の模様は、O遺伝子が発現する茶色と、X染色体の不活性化により発現するa遺伝子の黒(またはA-遺伝子のキジ色)のモザイク状態で、これらは完全にランダムに起きると思うんだが、多くの場合、二毛の模様には規則性がある。額の紋章もたまに見かける特徴の一つ(一例)。
天気の割には淋しい散歩だったが、土壇場になって立て続けに会えた。目的地を変えて正解だった。
きれいな鉢割れのキジ白。今日はこれで最後かなと思っていたら……、
地面に現れたのは親子か兄妹か。いつものコースを少し外れるだけで、こうした出会いがあるから猫散歩は楽しい。