激辛唐辛子の栽培を再開しようと思い、いくつかの品種の種を買ったことは先日も書いた。2008年に初めてブート・ジョロキアやハバネロを栽培した時の発芽率が良かったことから、それ以来、国内で手に入りにくい種についてはNicky’s Seedsというイギリスの種苗店で購入している。送料が割高なのにもかかわらず贔屓にしているのは、エアメールの同一料金内で入るだけのおまけをつけてくれるからでもあり、今回はキャロライナ・リーパー(超絶激辛唐辛子)とスーパースイート100(甘いトマト)という二種類の種を注文したら、五つの袋が同封されて届いた。つまりそのうち三つはおまけというわけである。
品種名は英語で書かれていて、三つとも何の種かさっぱり分からない。一つはPrimo Redというもので、ネットで検索してみると、アメリカで生産されている缶詰用品種のトマトらしく、「良好な深紅色、硬さ、および食味を有する巨大な果実」がなるそうだ(うん、楽しみ!)。二つ目はArmageddonというヤバそうな名前がついていて、何かと思って調べたら「イギリスで最も人気のある」「信じられないほど強力な」唐辛子なのだそうだ。その辛さは世界一と謳われるキャロライナ・リーパー(150万スコヴィル)に迫る130万スコヴィル。俺が栽培して食べた実績のあるブート・ジョロキアは約100万スコヴィルだったので、これはすでに未知の領域だ(何に使おうか)。そして三つ目の袋に書かれていたのはBubblegumの文字。ほかの二つと同様に「bubblegum seeds」で検索すると……、大麻じゃんこれ。
警察に届けた方がいいんだろうか。ていうか税関ちゃんと仕事しろよ。いやいや税関でバレたら受取人の俺が捕まるはず、などとしばらく悩んだが、そもそもおまけと称して他所の国に大麻の種なんか送るだろうか。EUから離脱しておかしくなっちゃったのかしら。
この問題が解決したのは10分後。トマトにも唐辛子にも大麻にもBubblegumという品種があり、うちに送られてきたのは唐辛子の方だった。辛さは85万~100万スコヴィルというから普通に激辛。Nicky’s Seedsとの取り引きは12年に渡るが、顧客の好みをよく研究している素晴らしい店だということが改めて分かった。
今日は朝から強い北風が吹きっ放しで、気温も10℃に届かないのではないかと思っていたが、11時すぎに辛うじて10.2℃まで上がった。朝の最低気温は2.0℃と霜が下りるレベルで、これがもう少し上がってくれないと、猫草や唐辛子の播種に踏み切れない。今日はこのことが書きたかっただけなのに、初っ端から思いっ切り脱線してしまった。
20m/s近い強風だったが猫はいた。
夜勤前の散歩で最初に立ち寄ったのは八王子の歓楽街。三毛の並びには仲間たちもいた。
いつもすぐに逃げるレッドポイントは平たくなったまま動かない。北風に奪われる体温と、お日様がくれる暖かさを天秤にかけた結果、このような場所に落ち着いたようだ。
指の匂いで挨拶したら鼻の頭に静電気が飛び、目をぱちくりして立ち去ってしまった。
最後の猫はゴール地点の片倉で。あいつはずいぶん久しぶりだな。
仏頂面のキジトラに会えるのは年に一度あるかないか。印象に残っているのは一昨年の初夏、生理落果で落ちた大量の柿の実に囲まれていたシーン。写真を見たら顔つきが今日とそっくりだった(こちら)。