「腕の中に入れてくださいな」と 、柔らかな肉球が遠慮がちに頬を突いたのは午前1時。腕を上げて隙間を作ってやると、ぴったりそこに丸まって、すぐにごろごろと喉の鳴る音が聞こえてきた。
最近サチコはとても甘えっ子になっていて、一人にしておくと淋しがって大きな声で鳴き続ける。例年ならこんな暑い季節に一緒に寝たりはしないのに、今年に限っては、俺が寝床に入ろうとすると、すぐにその後を追って階段を上ってくる。腕枕というのはとても寝苦しいもので、以前は布団に入ってきても無情に薙ぎ払っていたが、肉球爪なし→爪あり→頬舐めと、真綿で首を絞めるようにエスカレートしてくるので、最近はすぐに腕の中に入れてやることにしている。
一昨日は仕事が忙しくてブログを更新する気力がなく、昨夜は頭が痛くて動けなかった。どちらも散歩には出たので、今日は一昨日(11日)の出勤前に見かけた猫たちの写真29点を紹介する。
この日は4連続日勤の最終日。拝島の猫拠点の紫陽花がそろそろ見ごろかなと思い、下見を兼ねて駅から某巨大神社まで歩くことに決めていた。職場までかなり遠回り(というか逆方向)なので、翌日が休暇の日を選んだのだった。仕事が忙しいことを考慮してのことだったが、結果的にはそれでもやはりくたびれ果てて、休載する羽目になったのは前述の通り。
家を出たのは5時半。猫が動き出すには早すぎるかと思ったが、天気が良かったせいか、すでに武蔵が近所を嗅ぎ回っていた。
朝から落ち着きのない武蔵。カメラを向けるといつもイカ耳になってしまう。
この日は朝のうち雨との予報だったので、2〜3匹カメラに収まってくれれば御の字と思っていたが、蓋を開けてみたらご覧の通りの空模様。薄雲で日差しが白んでしまうため写真はとても撮りにくく、これならむしろしとしと雨の方がいいくらいだった。
拝島の1匹目は定点で惰眠を貪るキジ白4号。以前ここには屋根があったので、雨の日にもよく見かけた。
頑ななキジ白4号に比べると、キジ白3号はとても積極的。軽く舌を鳴らしただけで自宅から飛び出てくる。
引っ越してから5年近く経つのに、覚えていてくれるなんて嬉しいね。
近所の紫陽花は今年も咲いていた。6年前にもモデルになってもらった場所。
付き合ってもらったお礼に、高級カリカリをひとつまみ与えてその場を辞去した。
朝早くから起こされて機嫌悪そう。ええとその、モデルは君の相方にお願いしようかな……。
こちらも顔見知りの鉢割れ灰白。2匹揃って会うのはとても久しぶり。
「向かいの家」からは、さらなる猫の鳴き声が。あの子は初めて見る顔だな。
赤い首輪をつけているので飼い猫だろうけど、ずいぶん臆病だね。
散歩を終えたのは7:45。某巨大神社前から立川駅北口行きのバスに乗り、少し手前で途中下車して、付近の猫スポットを回ってみたもののどこも空振り。失意のままとある路地に差しかかると、道端から猫の鳴く声が聞こえてきた。
誰かと思ったら美人人妻三毛ちゃんじゃないの。元気にしてたかー。
最後に会ったのは2018年5月。面倒を見ていた家がスケルトンリフォームで長期間の工事に入り、去年の春に完成して人が住み始めてからも猫の姿をまったく見なかったので、もう会えないだろうと思って諦めていた。こういう再会、本当に嬉しい。
家の主人にご飯をもらって落ち着いたところ。以前より毛並みもきれいになったみたい。本名はトラちゃんというそうだが、このブログでは人妻という仮の名前が定着しているので、今後もこのままで行く(名前の由来になった記事はこちら)。これに茶トラ白の旦那が戻ってきてくれれば、再び文春的展開となるわけだが、果たしてあいつは無事にしているのだろうか。