南の猫と北の猫(竹富編1)


竹富町の猫

 冷たい雨の降り続くこの天気は風邪気味の体には辛い。今日は竹富島の写真を用意してあったので何となかったが、明日以降、台風14号が通りすぎるまでは更新が途絶えるかも知れない。急に寒くなったので、部屋の模様替えとか冬物の服を出すなど、まだ何もできずにいる。サチコが布団に潜り込んでくるようになったので、夜は暖かく過ごせているけれども。
 さて、猫旅の方はいよいよ南国へと進み、前回の記事では石垣市内で見かけた猫たちを紹介した。細い通りが縦横に走る飲食街はコンクリート造りの建物が犇き、時にどぶの匂いが鼻を衝いたりもして、台湾の路地裏によく似た雰囲気を醸し出していた。
 竹富島行きの船が出港したのは16:00。堤外で全速航行したのはわずかな時間で、竹富港には20分足らずで到着した。乗船率は2割に達するかどうかというレベルで、全体では20人ほどしか乗っていなかった。あとから島民に聞いたところによると、多くの観光客は午前中の船で来島し、夕方までには石垣へ戻ってしまうそうだ。石垣から15分ほどで渡れるので、竹島を日帰りにして、ほかの観光地と掛け持ちするのだろう。俺のように16時すぎに来島するのは少数派だそうだ。
 東シナ海を台湾で見たことはあるが、国内では初めて。海は青いものの雲が多く、船着場の待合所の隅では1匹の黒白が隠れるようにして寝ていた。
竹富町の猫

竹富町の猫

 お休みのところ済みませんね。観光客ですよ。
竹富町の猫

 くんくん。
竹富町の猫

 指の匂いを嗅いで長考したあと、待合所の外に出てモデルになってくれた。俺の指はそんなに悩ましいかな。
竹富町の猫

竹富町の猫

 竹富港から集落の入口までは900mほど離れていて、歩くと10分ほどかかる。この日の竹富島の日没は18:35で、それまで2時間もあるので、散歩する時間はまだまだある。放牧された肉牛や山羊などを眺めながら、集落の入口を過ぎてしばらく行くと、石垣に囲まれた空き地に黒いのが佇んでいた。
竹富町の猫

竹富町の猫

 突然近寄ってきたよそ者に身を固くする黒。
竹富町の猫

 バナナの下に隠れてしまった。上手いこと紛れるもんだね。
竹富町の猫

 八重山諸島に独特の野面積のづらづみの塀は、目隠しとともに台風の風除けを兼ねており、珊瑚由来の琉球石灰岩が使われているそうだ。異世界に入り込んだような気になって、周囲をきょろきょろ見回しながら歩いていると、行く手を猫が横切った。遠目にはチョコレート白に見える毛色。
竹富町の猫

 待ってくれー! 少しだけモデルになってくれないかな。
竹富町の猫

「別にいいけど」
竹富町の猫

竹富町の猫

 その場に留まってくれたのはポイント三毛さん。鼻の頭に少しだけレッドが乗っているね。
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 日が傾いて日陰になった路地に黒がいた。そろそろ夕食の時間かな。
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 目がまん丸。地面が砂だから、気づかれずに接近することはほぼ不可能。
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 微妙な姿勢ながら、何とか踏み止まってくれた。お騒がせして済みませんね。
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 小一時間ほど歩いたところで、「いつ着くのか」と宿から電話が入った。ウェブで予約した時にフォームに入力したつもりだったが、送信されていなかったようだ。そろそろ疲れてきたところでもあり、早く顔を見せて安心してもらおうと宿へ向かっていると、塀の切れ目から小柄な猫が駆け寄ってきた。
竹富町の猫

竹富町の猫

 とててて。
竹富町の猫

 ずざー。
竹富町の猫

 地面が珊瑚の砂なので、ごろーんというよりも、ずざー。
竹富町の猫

竹富町の猫

 私は東京から来た猫好きの者ですよ。明日も散歩するから、島の猫たちによろしく伝えておいてくださいな。
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「はーい」
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 沖縄東北猫旅の初日はマルという名の人懐っこいサバトラで終了。動画も撮ったのでこちらからどうぞ。
 竹富猫散歩は明日に続く。
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