北海道や日本海側では大雪で真っ白になっているそうだが、今日、東京の郊外で俺が体験したのは猫の毛皮の白い色だった。
夜勤を終えて外へ出てみると、天気こそ上々だったものの気温は低く、八王子アメダスの計測値は10時で3.2℃、最高でも6.7℃までしか上がらなかった。これを書いている21時現在、すでに氷点下1.3℃になっており、初日の出を拝むころには、氷点下5℃ぐらいまで下がるものと思われる。
唐木田から電車に乗り、最初に向かったのは白の住む駅前広場。見える範囲にいなかったので、舌を鳴らしながらその辺を歩き回っていると、植え込みの陰からか細い鳴き声が聞こえてきた。
近寄ったらさらに一鳴き。今日は日に当たっていても寒さの方が勝るくらいだから、日なたに出ているだろうとは思っていたよ。
終始機嫌のいい白だったが、眩しすぎて目は開かなかった。今度は曇りの日に来ようっと。
白に会ったあと、そのまま小田急線で南武線方面へ向かうことを考えていたが、気紛れを起こして六花谷に変更。ここでも舌を鳴らしながら歩き回っていると、珍しく上の方から現れた。
こいつは意外にきれい好きで、地面で転がるのは厭わないくせに、落ち葉の上を歩いたり座ったりすることはしない。アスファルトより葉っぱの方が暖かいと思うんだがなあ。
指でご挨拶。来年も時々遊びに来るので、また相手してくださいな。
先々週も見かけた子。お母さんと一緒じゃないせいか、今日は前回よりもかなり警戒していた。
2ヶ月半ぶりだから、そんなに長期間じゃないんだけれども。元気にしてたか。
2020年の散歩はこれでおしまい。明日も夜勤なので通常通り猫を探してから出勤する予定だ。今年はコロナに限らず、世界情勢が劇的に変わっていく一年で、こう言うと不謹慎かも知れないが、その場に立ち会えたことで、様々な興味深い事象や人間の業を見物することができた。これを機会に思慮深く生きられればいいと思うが、あいにく人間は道具を使うことで便利な生活を送ることはできても、生物としての進化を放棄したせいで、これ以上賢くなることは当分ないのである。身の程を知ることができたという点で、俺にとってはいい一年だったのかも知れない。