子猫のころから「ねこ元気」を食べて育ったサチコだったが、2012年(9歳)ごろから徐々に痩せ始め、最も重い時で5kgほどあった体重が4kgを割り込んだため、2013年8月にカリカリを別のものに切り替えた。カリカリを変えたのは痩せたことのほかに、嘔吐が多かったことも理由の一つだが、これは粒の形状や大きさが原因だったようで、小さなものだとやや改善することがその後判明した。
4kgを割り込んだ体重は、定期的に計測を始めた2014年以降、元に戻ることはなかった。カリカリの泥沼にはまってきたのは、3.01kgまで落ち込んだ2019年8月ごろからで、動物病院で腎臓関連の数値が悪いと指摘されるまでは、様々なものを与えては飽きられることを繰り返した。現在は獣医の勧めでロイヤルカナンの腎臓サポートを与えているが、療法食というのは美味しいものではないらしく、特にウエットタイプは与えてもほとんど口をつけようとしない。ドライタイプも粒の小さなものでないとダメで、そうこうしているうちに再び体重が落ち始め、先週末に測ったところでは3.33kgになっていた。
腎機能の維持が大切なことは言うまでもないが、そのことに固執しすぎて、体重を落としたのでは本末転倒だ。一方、食いつきのいい美味しい食餌は、尿や血液の数値を良くない方向に持って行く。相反する現象に対してどうバランスを取るか、飼い主である俺が決めなければならない。生きている間は穏やかで痛みのない生活をさせてやりたいと思っているが、それにはどちらを選択したらいいのだろう。これといった方針を打ち出せないまま、今日も試供品のカリカリが4種類届いた。
今日は午後から少し雪が降ったようだが、その時俺はすでに帰宅して床に就いていた。仕事帰りに降っていれば、六花咪のところに寄って雪の結晶でも撮ったかも知れないが、ただ寒いだけの帰り道だったので散歩はお休みした。代わりに今日は今月7日の水上散歩の後編を紹介する。
前編で見かけた大きな猫や小さな猫と別れ、温泉街の中心部へ向けて歩いていると、積もった雪の向こうに白っぽく紛れた猫発見。ここからだと意地悪問題にしかならないかな。
毛が逆立っているのは風が強いから。長毛だとあまり気にならないのかな。
細い路地には何度も猫が行き交うが、遠かったり逃げられたりしてなかなか写真が撮れない。あの子もきっとダメなのだろうな……。
値踏みするような目つきの若い茶トラ。この0.5秒後、踵を返して走り去った。
道路の雪は解けて乾いているが、屋根の上にはまだたくさん積もったままだ。時間の経った屋根雪は下層が固く凍っていて、軒下で落雪の直撃を受けるとほぼ間違いなく死ぬ。「頭上注意、頭上注意」と、念仏のように唱えながら歩いていると、前方の外階段で日に当たる2匹の猫を発見した。
雪国の家は、落雪時の被害を考慮して、屋根の向きや傾斜角を決める。雪が落ちてこないことが分かっているのか、水上の猫たちはどれも妻側にいるから不思議だ。
地面にいた方はとっとと逃げて、カゴの上の子だけが残った。君のお姉ちゃん(妹?)は薄情だねえ。
三毛ちゃんたちに構っていると、向こうから2匹の猫がうにゃうにゃ言いながらやって来た。さっき外階段にいた茶トラとサビだ。
茶トラはどこかへ行ってしまい、2匹の女の子がその場に取り残された。何となく不穏な空気に促され、散歩を終えた俺はお昼前の電車に乗ってそそくさと東京に帰った。この日の水上散歩はこれでおしまいだが、駅前で買った饅頭が美味しかったので、機会を見つけてまた行こうと思っている。