とりわけ紛らわしい毛色の猫たち


相模原市の猫

 先月の初めごろからじわじわと上がり続けていた台湾のコロナ感染者数は、今月に入ってから爆発的増加の様相を見せ、現在は一日あたりの新規感染者数が6~7万人となってピークを迎えつつあるようだ。こう書くと目を剝く数値のようだが、台湾は4月時点でほぼ8割の人が必要回数のワクチン接種を終えており、3回目以上のブースター接種も日本以上に進んでいることから、重症者は全体の0.03%に留まっているという。長い間ゼロコロナの方針を取り続け、重症化しやすいとされるいくつかの変異株を巧みにかわす一方、ワクチン接種を急ぎ、比較的軽症で済むとされるオミクロン株が蔓延したとみるや、しなやかに規制を緩めてくるなど、意図的にやっているのだとしたら絶妙というほかない。これまで俺は、台湾への渡航を再開するには、日本の感染状況がゼロコロナ当時の台湾並みに清浄化される必要があり、それにはとても長い時間がかかるだろうと思っていた。しかし最近の台湾を見ていると、両国の状況が均衡するタイミングを見計らって、一気に渡航を解禁するのではないかと感じている。例えれば金魚水槽の水合わせのようなもので、両国が同程度に汚染されている時に混ぜ合わせれば、どちらにとっても最小限のショックで抑えられる。長くなってしまったが、猫散歩を続ける気力が折れる前に、できればもう一度彼の地へ渡りたいと切実に思い、つらつらと希望的観測を書いてみた。
 今朝の散歩は少し頑張って横浜線方面の相原~橋本を攻めてみた。できればそのまま相模原まで足を延ばして、あやめちゃんの消息を確認したかったが、思いのほか体力が持たなくて次回に持ち越した。早起きできれば明日あたり挑戦するかも知れない。
 久しぶりの相原で会いたい子(こちらこちら)には会えなかったが猫はいた。
町田市の猫

町田市の猫

 グースカ寝ていたのは薄色三毛。お休みのところちょっとごめんなさいよ。
町田市の猫

 事態を飲み込めていないうちにちゃっちゃっと撮って逃げるのが猫撮影の醍醐味。
町田市の猫

 最初の猫が薄色三毛だったので、この家の猫にも会えたらいいなと思っていた。まさか実現するとは。
相模原市の猫

相模原市の猫

 2017年9月以来の薄色三毛。同じ場所でまた会えてとても嬉しい。
相模原市の猫

 先ほどの三毛は希釈遺伝子(D遺伝子)の作用で、黒+茶トラ+白の毛色が薄まって灰+クリームトラ+白になったもの。一方こちらの三毛は希釈遺伝子が作用している点は同じだが、元の毛色はキジトラ+茶トラ+白で、これが薄まって灰トラ+クリームトラ+白に変わっている。見た目も似ていて紛らわしいが、両者はアグチ遺伝子(A遺伝子)の優劣が異なる。
相模原市の猫

 前回一緒にいたキジトラは見かけなかった。さすがに4年半以上経っているので消息は分からない。
相模原市の猫

 3匹連続の希釈色。朝ご飯待ちの猫が見えるかな。
相模原市の猫

相模原市の猫

 暗くてきれいに撮れないが、本来はこんな感じのいい男。
相模原市の猫

 今朝の毛色の紛らわしさはなかなかのもの。上の写真とそっくりの毛色だが、上は灰トラ白(blue mackerel tabby and white)で、こちらは恐らく灰銀トラ白(blue silver mackerel tabby and white)だと思う。これは希釈遺伝子で色が薄まっているだけでなく、抑制遺伝子(I遺伝子)の作用によりフェオメラニン生成が抑制され、毛色から赤味が抜けたものだ。外観で判定するのは困難な毛色だが、以前見かけた際、被毛にティッピングとターニッシュを生じているように見え(こちら)、これらはシルバーの毛色の特徴であることから抑制遺伝子が働いており、加えて縞模様の濃い部分が黒ではなく濃灰色であることから同時に希釈遺伝子も働いていると判断した。
相模原市の猫

相模原市の猫

 ……などと内心で毛色の遺伝を復習する俺を、地面の三毛が怪訝そうに見つめていた。
相模原市の猫

相模原市の猫

 可愛い三毛ちゃんも久しぶり。元気そうで良かった。
相模原市の猫

 立ち去り際、「どなただったかしら」というような顔つきで出てきた三毛ちゃん。指で挨拶できるかなと思って引き返したら逃げてしまった。
相模原市の猫

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