過去2回の水上散歩は駅の周辺や温泉街を歩き回って再び駅に戻り、最後に土産物屋で温泉饅頭を買って帰りの普通列車に乗るというパターンだった。その程度の散歩でも駅から温泉街は離れているし、起伏のある雪道をかなりしつこく歩き回るので、それなりに疲れて帰宅していた。しかし今回は今までよりも一皮むけた散歩にすべく、水上の温泉街を抜けてさらに南下し、隣駅の上牧付近まで歩くつもりでいた。地図を見る限り人口希薄地帯のようなので猫がいるかどうかは微妙だったが、美しい谷川連峰や利根川の渓谷を眺めながらの散歩はきっと楽しいだろうと期待していた。薄着だったこともあって天気が悪ければ断念したと思うが、幸い散歩開始からほどなくして空は晴れ渡り、日差しを浴びている限り寒さを感じることはなかった。
10時を過ぎてようやく気温がプラスに転じ、去年も訪れた大きな一軒家を覗いてみると、見覚えのある面々が思い思いに寛いでいた。去年は大雪が降った直後で、融雪装置が全開で散水していたため道路が水浸しになっており、天気は絶好だったものの肝腎の猫はあまり出歩いていなかった。そのうちまた来るつもりで13ヶ月も経っちゃったけど、今回はどうかな。
こいつは一昨年の1月、初めてこの街へ来た時に会った一匹。真冬だけあって首周りの毛がすごいことになっているね。
他所者の気配を察して白がさらに1匹。ここは白猫パラダイスか。
きれいなオッドアイをアップで撮っとく。W遺伝子は毛色を司る遺伝子の中で最上位とはいえ、これだけまとめて見ることはなかなかない。
なお白以外の毛色も各種取り揃えている。今回の散歩でまだ見ていないのは三毛や二毛ぐらいかな。
日当たりのいい玄関前にも何匹か。白や長毛が複数いることから、これらの猫たちの多くは血縁関係かも知れない。
ビニール製の猫ハウスから若い茶トラが出てきた。O遺伝子が存在するのだから、きっとどこかに三毛や二毛もいるのだろう。
長居してしまったのでそろそろ次へ行こうと思っていた矢先、道路向かいの様子を見に行くとさらなる白が降臨!
一日中ここにいてもいいくらいの盛況だけど、それじゃ散歩にならないし、俺もつまんないのでもう本当に次へ行くよ。
今回の散歩は水上駅には戻らずに隣駅の上牧へ向かうので、ここの猫たちとは次回の来訪までお別れになる。次へ進む前に先ほどの擁壁の路地を覗いてみると、積雪で圧壊した空き家の梁に折れ耳の白が佇立していた。
関東でこういうものを見るとは思わなかった。水上も雪が多いんだな。
ちなみに前回の記事からここまでで紹介した猫たちは、標高差こそあるもののすべて半径50m以内で見かけており、6匹の白猫もその中に含まれていた。ところがこれで全部かというとそうではなく、去年来た時はほかにも2匹、きれいなブルーアイの白がいた(こちらとこちら)。もしかしたら俺が目にしたのは一大白猫帝国のほんのサワリだったのかも知れず、真相を解明すべくまたここに来ようと決意を新たにしたのだった。
温泉街の細い路地で見かけたのは民家の庭で日に当たるサビが1匹のみ。
そしてここから先は初めての道。上牧へ向けて旧街道と思しき路地を歩いていると、日なたぼっこ中の三毛に遭遇した。この写真は通りすぎてから元来た方を振り返って撮影。
驚いた表情の三毛と別れれば、その先にはさらなる人口希薄地帯が広がる。果たして幾多の猫に会えたのか、水上猫散歩は次回完結!