麻疹(はしか)流行の兆しがあるということで、過去に罹患したことがあるか思い出そうとしてみたものの、さすがに半世紀も前のこととなると記憶が定かではない。母子手帳を見てもそうした記録はなかったので、どうしても必要なら病院で抗体検査を受けるほかなさそうだ。ちなみに俺は2020年5月、府中市の風疹予防助成制度により風疹の抗体検査を受けており、その結果は抗体価が充分高くワクチン接種は不要というものだった。しかし今考えてみればそのワクチンとは風疹と麻疹のMR混合ワクチンであり、それを接種するかどうかの判定に風疹の抗体検査しか実施しないのは片手落ちと感じる。あくまで風疹に対しての助成制度とはいえ、MR混合ワクチン接種の貴重な機会になり得るのだから、たとえ自費になるとしても麻疹の抗体検査を促すべきだったと思う。
猫の方は三崎散歩の続きということで、閑散とした漁港に現れた黒猫から。前回最後に紹介した黒はコンクリートブロックの上だけど、いつの間にか地面にもう1匹増えているね。
ここの猫たちは縄張り意識がとても強いんだな。もともとサバトラのボスが仕切っていた場所だけど、いなくなって統率が乱れているのかしら。
でもやっぱり劣勢な方に肩入れしたくなるのが人情というもの。俺と一緒に遊ぼうか。
この子は優しい性格の子。前回来た時もサビに威嚇されていた。
立ち去りがたいけど行かなきゃなあ。うちはここから80kmも離れているんだよ……。
いつも朝のうちに来て昼前に帰るという繰り返しなので、2019年冬には泊まりがけで来たこともあるのだが、長居しても余計名残惜しくなるだけと分かったので一度きりで終わった。こういう時は、愛おしく別れがたいすべての外猫たちの代表として迎え入れたのがサチコとマコちゃんなのだということを思い出すようにしている。
集落を通り抜ける帰り道、とぼとぼと歩く俺を見送る視線あり。
この子は2020年10月に一度だけ見かけたことがある。まさか覚えていてくれたとか?
……などと昔話に花を咲かせていると、奥の方からもう1匹登場。
この子はたぶん初めて。顔立ちが幼い感じがするので、ここ1~2年で生まれた子かも知れない。
どこの家の子かは見当がついているので、ぞろぞろと引き連れて移動中。
はい、ただいま。ここなら安心してモデルになってもらえるかな。
にゃーんと鳴いて三毛参上。猫って本当に芋づる式に出てくるなあ。
3匹の中では三毛がいちばん古い知り合いで、初めて会ったのは2019年のクリスマス・イブに遡る。あの時は右目の炎症と白濁が痛々しかったけど、今はずいぶん良くなった。
鬱蒼とした路地の先を曲がるまで、茶トラ白はずっと見送ってくれた。三浦散歩はこのようにして終わり、再び電車に2時間揺られて帰宅したのだった。