台湾猫旅レポートを早く載せるため4月と5月は休みなしで更新したが、今日紹介する瑞穂散歩を含めて残り3回というところまで来たので、あとはゆっくりやっていく。毎日更新したからといって何かいいことがあるわけではなく、むしろせっかく書いた記事がすぐに流れてしまうので弊害の方が大きいが、冬の間思うように更新できなかった分を取り戻したかったのと、真夏になったらまた滞るので今のうちにという思いもあった。今日は風雨が強くて散歩できるような状況ではなく、何年かぶりに普通の通勤鞄を持って出社した。カメラがないので明日の夜勤明けもまっすぐ帰宅し、ブログもお休みする予定。
瑞穂散歩の「瑞穂」とは花蓮県瑞穂郷のことで台東線にも同名の駅がある。駅から4kmほど西の萬榮郷まで行くと2018年11月の猫旅で泊まった瑞穂温泉という宿があり、可愛らしい看板猫がいることや、旅の疲れを湯船で癒したかったことから今回もぜひ泊まろうと思っていたところ、宿泊料金が倍以上に値上がりしていて泣く泣く見送った。風情のある宿でお湯も良かったが、それは前回の約5,000円という料金込みの印象であって、これが12,000円となると高すぎて見合わない。なので散歩コースも前回のように朝早く宿をチェックアウトして瑞穂駅へ向けて歩くのではなく、3月23日(台湾猫旅5日目)の夕方、旅の途中に立ち寄る形となった。
玉里から乗った自強号は20.2kmを12分で走破し瑞穂到着は15:05(前回の記事はこちら)。瑞穂温泉の入口を散歩のスタート地点に設定したが、あの看板猫がエントランスで待っているなどという奇跡はなく、1匹目は街なかで見かけた白だった。
傾きかけた日差しが薄雲で白み、人気のないメインストリートを照らしている。白は呼んでも出てこない。
次の猫も似たような場所で寝ている。この日の瑞穂は30.8℃まで上がって暑かったからなあ。
こちらは首輪をつけていないね。さっきのと親戚か何かじゃないのかな。
初っ端から白が続いたことをさして意外に思わなかったのは、前回来た時にもこの近くで5匹の白を見かけたから。あとで虹彩を比べたところ、さっきの2匹とは別猫のようだったが、白猫を生むW遺伝子は毛色を司る中では最強の遺伝子なので、増えていく分には不思議はない(むしろ巷にそれほど白が多くない方が不思議)。その5匹の白は元気にしているだろうかと思い、見覚えのある脇道に逸れてさらに行くと、古びた民家の向こうで猫が伸びていた。猫絵のプレートに書かれた「猫肥家潤」を地で行く展開。
引くとこんな感じ。越屋根を備えたこの民家は日本統治時代の養蚕農家だろう。となるとあいつは戦前から続くネズミ番の末裔かな?
緊張感のない風体で伸びていたキジ白は、姿勢を正してお澄まし顔になった。
瑞穂郷内ではほかにもいくつかの養蚕建築を見かけた。今は台湾の養蚕も衰退したと聞くけど、昔は君たちの先祖が活躍したのだろうね。
あいにく前回見つけた猫拠点に猫の姿はなかったが、その近くの路地にまったりしている一団がいた。ああいう姿は夕方ならではだなあ。
ぎょっとした顔でこちらを見ている。まあ君たちはどうせ逃げるんだろう?
猫たちは動きを止めてこちらの出方を注視している。実はここ、2018年11月にも来た場所で、前回5匹いたという白猫のうち2匹はここの子。今回は白が見当たらないけど、ほかはどうかなー。
今は茶系だけみたい。婆さんに4年半ぶりの挨拶をして、ポケトーク越しに近況を聞いてみたが、訛りが強いせいなのか、白はいないということぐらいしか分からない。写真を見るとこの子が前回のこの子(写真左)かなという気がするが確証はない。
婆さん邸をあとにしたのは16:15。このあと瑞穂駅の近くで1匹逃げられ、蘭嶼、玉里と続いたこの日の散歩は17時すぎに終了となった。台湾最後の夜はここから遠く離れた瑞芳に泊まることになっているが、到着予定は22時近く、列車に乗る前に腹ごしらえはしておきたい。駅前通りをぶらぶらしていると「日式料理」と書かれた看板が目に留まり、外に貼り出されたメニューを見ると「刺身定食」の文字が見える。俺が食べたいのはこういうものだ、蘭嶼で傷ついた体を癒してくれるのはこういう食べ物なのだと、うわごとのように一人ごちながら店に吸い込まれたのだった。
次回はついに帰国日。雨の瑞芳から散歩が始まる。