地元の猫を疎かにしたくないので、できれば今日は出勤前に散歩したかったが、予報では夕方からとされていた雨が午前中に降り出したので早々に諦めた。気温も上がらず7.5℃止まりでこんな日に猫が出ているとも考えにくいが、歩いてみると意外にいてくれちゃったりするから後悔はある。こういう日に彼らがどう過ごしているのか見極めるのが俺のテーマの一つじゃなかったのかと自責の念に駆られるからだ。実際のところ、台湾猫旅や国内大小の猫旅よりも、通勤途上に見かける地元の猫の記事に「いいね」がたくさん付く傾向もあって、このブログには同じ猫が何度も出てくるし、中には仮の名前を付けて親睦を深めているのもいるので、安否を気にかけてくれる人が一定数いるのかも知れない。
雨は明日の午後まで降り続くようなので、夜勤明けに散歩するのは厳しいかも知れないが、猫ヶ丘に立ち寄るついではあるので、可能なら1匹でも見つけて紹介しようと思っている。
というわけで、今日紹介するのも銚子散歩の続きということでこれが3回目。朝は9時半すぎに犬吠を出発し、長崎、外川と回って再び犬吠へ戻るという9kmの散歩を終え、リュックを預けた犬吠駅にたどり着いたのは13時少し前。予定ではこのままさらに海鹿島へ向かうつもりだったが、吹きすさぶ北風にすっかり体温を奪われてしまい、これ以上歩き回るのはしんどすぎるので断念。何か温かいものでも食べて体力を回復しようにも、駅には食堂がなく、売店には銚子電鉄名物「ぬれ煎餅」ぐらいしか置いていない。散歩の途中、街道筋に蕎麦屋があったことを思い出し、駅から外川方向へ400mほど引き返して店の引き戸を開けると、混雑した店内からむっとした人いきれが漏れ出て眼鏡が曇った。乾き切った北風に晒され続け、からからに乾いた肌と喉にとってはオアシスのような場所だった。
熱々の蕎麦と平目天重でお腹を満たし、店を出たころには13:44発の銚子行きが出たばかり。次の電車が来るまで50分ほどあるので、元来た道を不貞腐れたようにちんたら歩いていると、行く手の線路端に猫が現れた。まああれが誰なのかは見当がついているんだけれども。
やっぱり! こいつは今朝も見かけたサバトラ。もっと正確に言えば銀トラ、いわゆる一つのsilver mackerel tabbyという毛色。
線路内もこいつの縄張りらしく、悠然と横断していく。この風格はやはりボスなのかも。
近くの民家には茶トラ白が張り付いていた。ご飯待ちなのか、はたまた日差しを愛でているだけなのか。
こちらは先ほどの散歩中、門扉の前でうずくまっていた白。この日は雲が多かった上に流れるのも速く、日差しを追いかける猫も行ったり来たり忙しい。
なお、前回ここで見かけた青目の白とは別猫。
白と別れてさらに進むと、車の下で日に当たる猫を発見。相変わらず風は強いけど、蕎麦を食って温まったのでまだしばらくは大丈夫。
甲高い三毛の鳴き声を聞きつけてもう1匹登場。まだ1歳にもなっていない感じの若いキジ白。
二重唱になった鳴き声に誘われたのか、さらに2匹追加。左側はさっき線路を渡っていたボス的サバトラ。
クリーム白とキジ白は年格好が同じくらいに見えるので、兄妹かも知れない。
いちばん人懐っこいのが母と思しき三毛。一度指で挨拶したらデレデレになってしまい、常にくっついて回るので写真が撮れなくなってしまった。これはそうなる前に撮った一枚。
ボス的サバトラの存在に気づかないまま縄張りに侵入してしまい、鉢合わせになって退散したのもまたサバトラ(こちらは青トラでblue mackerel tabby)。これとよく似た光景を遥か昔に見た気がして、あとで調べたらもう8年も前、西武安比奈線での出来ごとだった(こちらやこちら)。そうか、あの時のキジトラも恋人を探してくぐもった声で鳴いていたっけ。君たちはそろそろ恋の季節だものなあ。
……というわけで猫旅初日(16日)はこれにて終了。次の散歩は翌17日の朝、茨城県は大洗からスタートする。