太平洋沿岸の小さな猫旅(大洗編)


大洗町の猫

 もともと先日の猫旅は春か秋に行くつもりで立てたプランを流用したもので、日の出時刻はもっと早く、日の入りはもっと遅い想定で旅程を組んでいた。なので銚子散歩を終えて15時台のバスに乗り、終点の鹿島神宮駅に到着したのが17時でも、それからもう少し散歩できる想定で乗り換えを考えていた。しかし真冬の今は鹿島神宮駅前に到着したころがちょうど日没で、しかもこの日はあまりの寒さに体がカチンコチンになっていて、これ以上歩き回ったらおかしくなりそうだった。むしろ日没後に楽しむべきは乗り鉄で、15年ぶりに鹿島臨海鉄道の6000形気動車に乗れたのはいい経験だった。1985年にデビューしたこの車両は製造初年から40年近く経過して老朽化が進み、2016年からは新しい8000形への置き換えが進んでいる。6000形に搭載されている駆動装置は気動車用としては過渡期のもので、とりわけ直噴式縦型エンジンが使われている現役の鉄道車両は我が国で唯一。縦型シリンダという構造のため車内の床に点検蓋があるのが特徴で、床下からの騒音が大きく、俺のような気動車オタには堪らない車両なのである。この機会に100年に渡る我が国の気動車史から紹介したいところだが、このブログは猫ブログであり、割愛せざるを得ないのは大変残念である。
 さて、猫旅初日の16日、最後の猫がカメラに収まったのは14:10とかなり早い時間だった。これは北風が強すぎてヘタレたためだが、一度はもっと早い12時半に切り上げて犬吠駅へ向かっているわけで、正味の散歩時間はたった3時間しかなかったことになる。せっかく4時間半近くかけてここまで来て勿体ないとは思うが、強風と低温のダブルパンチで頑張りが利かなかった。蕎麦屋で温まったあと、再び駅へ戻る道すがら、たくさんの猫に会えたのは幸運だった(前回の記事はこちら)。
 翌17日は朝から雲一つない快晴で風も止んでくれた。宿泊地の水戸から再び鹿島臨海鉄道に乗り、大洗駅をスタートしたのは8時ちょうど。1年あまり前、逆コースの那珂湊〜大洗を強風で断念していることもあり、今回は何とか歩き切りたいところだが、大洗の街なかは予想を遥かに超える猫の多さで、その多くが敷地の奥だったり逃げ足が速かったりして、収穫のないまま時間だけがすぎていく。朝帰りと思しき1匹目を捕捉したのは散歩開始から20分後のことだった。
大洗町の猫

大洗町の猫

 この子も一度は民家の敷地へ逃げ込んだけど……、
大洗町の猫

 一度通りすぎて振り返ったら出てきていた。しかも1匹増えていた。
大洗町の猫

大洗町の猫

 冬毛で丸々しているところがそっくり。家族かしら。
大洗町の猫

大洗町の猫

 茶トラ白ののほほん顔がとても気になってアップにしたら、ポイントさんが見切れてしまった。どちらもぱつぱつの丸顔が可愛らしい。
大洗町の猫

 南向きに開けた敷地で黒がちょこなんとしていた。
大洗町の猫

大洗町の猫

 なかなかのエラ。こいつも犬吠のサバトラ同様、この辺りの重鎮だろうか。
大洗町の猫

 眩しそうなので向きを変えてみたけど、あんまり変わらないか。
大洗町の猫

 重鎮は行ってしまった。
大洗町の猫

 新しめの住宅街も覗いてみたものの猫影はなく、やはり旧市街の方がダントツに多いようだ。あちらの猫は濡れ縁で毛繕い中。
大洗町の猫

大洗町の猫

 他所者を訝しんでおるな。
大洗町の猫

 じーっ。
大洗町の猫

 訝しむ猫がここにも。
大洗町の猫

大洗町の猫

 他所者然とした風体で大洗の街なかを歩いていると、最もこちらを訝しむのは犬で次が猫。観光地でもない住宅街をふらついていれば怪しまれるのが普通だが、意外なことに人間の眼差しは柔らかく、時には挨拶も交わしてくれる。そう、ここ大洗はアニメ「ガールズ&パンツァー」の舞台となった街であり、ファンにとっては聖地。無目的に歩き回る俺の姿は、街の人には聖地巡礼の「ガルパンさん」に見えているのかも知れない。
大洗町の猫

 なお、猫には正体がバレている模様。
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 隙間の向こうは太陽光パネル。感電しないように気をつけてね。
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 太陽光パネルの向こう側にも猫発見。なるほど、太陽光発電に適した立地は猫にも適しているというわけかー。
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 猫も太陽光発電。寒い時期は日差しを充分に浴びておかないとね。
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「日差しはいいけどあなた何?」
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 そそくさそそくさ。
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 これが他所者との正しい接し方。大洗散歩はもうしばらく続き、最終的には那珂川を渡って那珂湊駅へ至る。
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