俺の興味の対象はあくまで猫そのものであって、撮影機材や技法に対する関心はあまりない。しかしせっかく撮る以上は可愛く魅力的にと思うのが人情で、そうするには普段から撮りたい構図をイメージしておく必要がある。そうすれば、それに必要な条件が見えてくるわけだが、とりわけ猫のような気紛れな被写体が相手だと、いくら頑張って技術を磨こうが、高級な機材を買い揃えようが、それらが必ずしも実を結ぶとは限らない。猫撮影の成否の8割は運に支配されていると思う。怠惰な俺は、この運任せな、向上心を全否定するかのような動物の存在が気になって仕方ない。自分と同じ匂いを感じるからかも知れない。
……まあそんなことはどうでもいいんだが、今日と明日は夜勤で猫関係業務ができないため、残っていた記事を2回に分けて紹介する。今日は先月29日の後半から(前半はこちら)。
この日は散歩の前半で茶白みーちゃんほか何匹かの猫に会い、そのあとバスに乗って新居に行き、庭先の寸法を測るなどの用を済ませた。新居の周辺では3匹ほど逃げられたが、いずれ住む場所なので、余裕かまして西立川の駅に向かっていると、砂利の駐車場の隅っこでごろごろしているのを発見した。
上機嫌でごろごろしていたトラ子さんだったが、俺の気配に気づいてお澄まししてしまった。引っ越し後はこの子に会う機会も増えると思う。
日差しを嫌って影に入って来る2匹。すっかりお昼寝モードだな。
引っ越したら自転車で来られるから、もっとたくさん会いに来るよ。
巡回帰りの黒白。こちらに気づいていなかったらしく、呼んだらびっくりしていた。
玄関前に佇んでいたのは再開発4号。ここの猫たちはみんな似たような毛色なので感慨は薄いんだが、この子に会うのは1年ぶり。
散歩開始から4時間近く経ち、疲れた体を引きずるようにして自宅に向かっていると、カーポートの奥で寛ぐ猫の背中を発見した。
その並びの民家にもいた。うちの近所って、実はかなりの数の猫がいるんだよなあ。
少し遠かったので、たまたま外に出ていた家の人に挨拶して、敷地に入らせてもらった。
家の中から奥さんも出てきて、ほかにも何匹かいるという猫たちを紹介してくれた。この子の名前も聞いたけど忘れちゃった……。
この日判明したことが一つ。再開発ファミリーやシャム混1号の縄張りなど広い範囲に出没し、時には我が家の屋根まで登ってくるダミ声の黒白(こちら)がいて、どこの猫だろうとずっと不思議に思っていたんだが、どうやらこの家の子だったようだ。引っ越す前に長年の謎が解けたので、この日の夜はぐっすり眠れた。