俺の育った函館では昨日から新幹線が走り始めた。今は家族全員が道外に移り、実家も壊して土地を売ってしまったので、函館との縁はなくなったが、かつては帰省で何度も往復した道なので、それなりの感慨はある。若いころ、函館に帰省する時は、もっぱら上野発の夜行列車に乗っていた。中でも東北本線経由の急行「八甲田」は、同区間の寝台特急と所要時間がそれほど変わらず、当時発売されていた「函館・大沼ミニ周遊券」が使えたので、2万円弱で函館と東京を往復できた。ネックだったのは青函連絡船で、四方を海に囲まれた船上で3時間50分もじっとしているのは、若い俺には辛いものがあった。新幹線はそれとほぼ変わらない所要時間で東京~新函館北斗を結ぶのだから、時代は変わったなあと思う。だがしかし、鉄道ファンでありながら、鉄道で旅するという選択肢は、今の俺にはもうない。今さら言っても仕方がないが、地方の鉄道路線はせめて上下分離方式にしないと経営が持たない。特に北海道のような冬の厳しい地域で、高校生運搬ぐらいしか用途のない路線を維持するなど、およそ不可能なことだ。新幹線の延伸や在来線速達列車の特急化・高級化にもめげず、頑張って高い運賃を払って鉄道を利用しても、それで得た利益は不採算路線の維持には回らず株主の懐に入るのみ。誰がそんなものに乗るかという思いだ。
まあそんなことはどうでもいいんだが、今日の猫は3匹に留まった。夜勤明けで体力が尽きていた上に、起伏の多いコースを選んだため、途中でヘタレてしまった。
職場からほど近い団地の外れ。擁壁と植え込みの隙間で猫が寛いでいた。
こいつは去年3月26日にも見かけた子。あの時は異動の打ち合わせのため、夜勤の前に和光に寄って、日が暮れてから職場に向かっていたのだった。その時は1年後ここに戻ってくるとも、こいつと再会することになるとも思っていなかった。お互い絶好調とは言えない感じだが、まあぼちぼちやっているようで何より。
散歩コースは横浜線の橋本から相原まで。砂利の路地に猫影を見つけて、じゃりじゃり音を立てて近寄ったら、こうなってしまった。
おお、こっちに来るかな。去年は逃げられたんだけどな。