蓋を開けてみると今日の気温は予想されていたほど下がらなかった。明日の最低気温も氷点下6℃に変わっているので、恐らくこの寒波の気温の底は、今朝、日の出直後に記録した氷点下8.0℃に留まるものと思われる。
我が国には四季があり様々な気候がある。外で暮らす猫たちがどのように過ごしているのか、自分の目で確認することは、猫散歩の目的の一つでもある。今日は夜勤だが朝5時半に起きて、日勤の出勤時と同じ時間帯に立川の柴崎町界隈を散歩してみた。ここまで気温が下がると、日の出を過ぎても路地は暗く冷え切ったままで、放尿に起きたキジトラを1匹見かけたくらい。日が差して人心地がつくには、しばらく待たなければならなかった。
水辺で朝食を待つ2匹の猫に遭遇したのは、散歩開始から50分後。
こちらを凝視する長毛猫は古くからの顔見知り。灰色一色なのでソリッドブルー(黒猫が希釈された毛色)に見えるが、口元が白く抜けていることで、何らかのタビーであることが分かる。以前は何となく薄色二毛だと思っていたが、そんなわけで現在は灰霜降り(ブルーティックドタビー)に分類している。
もう1匹は水飲みに出かけた。洗掘が進んで川面が低く、とても降りにくそう。
なお、先ほどの長毛もこいつも大変臆病で、川を渡って対岸に足をかけた瞬間、すっ飛んで逃げてしまった。
ものすごく人懐っこい子。懐に飛び込んできてすりすりが止まらないため、飽きるまで遊び倒すことにした。
……そして10分後、だいぶ落ち着いてきたところ。ここの猫には逃げられてばかりで、こんな子がいたなんて知らなかったよー。
次に現れたのは長毛キジトラ。身軽にジャンプして庇の上に収まった。
道路向かいには短毛キジトラもいた。どうやら朝食後のまったりタイムだったようだ。
探せばまだまだ見つけられそうだったが、今日は夜勤だからほどほどにしておかないと、勤務時間の大部分を気絶して過ごすことになる。そろそろ帰ろうと思って歩き始めたのも束の間、門扉の向こうに猫が見え隠れしているではないか。
15分ほどかけてスタート地点の近くまで戻ってきた。2時間前には誰もいなかった生垣の奥で、日なたぼっこしているのが1匹。東向きに開けている場所なので、ここで猫を見ることは時々ある(春バージョン)。
逆サイドに回ってみると、早くも腰を浮かせていた。解け残った雪や霜のせいで、どこを歩いてもバキバキ盛大な音がするので、バレずに近寄るのは不可能。
一日一猫史上、最も気温の低い散歩は2016年1月25日の氷点下6.2℃だったが、今朝はそれを下回る氷点下8.0℃で、しかも散歩の最初から最後まで氷点下という珍しい日だった。どこか寒い土地へでも行かない限り、これを超える日はそう来ないと思う。
関東の場合、冬に気温が下がるのは放射冷却が主な原因で、よく晴れた日の、日の出直前に気温が底を打つケースが多い。雲や風があると放射冷却の条件が崩れて、むしろ気温は高くなるので、寒いなりにも、猫としては生活パターンが作りやすいような気がしている。ニンゲンのおっさんは晴れていてもかなりきつかったけれども。