屋根の下でうだうだやっているうちに、ようやく気づいてくれた懐かしい顔。こいつに会ったのは3年ほど前の2016年1月に遡る。中国語で言うところの経典銀虎斑、いわゆるシルバークラシックタビーの立派な被毛。元気そうで何より。
前回の記事に続いて今日紹介するのは、台湾猫旅1日目(今月12日)、瑞芳の民權街で見かけた猫たち。散歩開始から30分ほど経過して時刻は14:10。この街は台湾の中で最も猫勘の働く場所なので、昼下がりにもかかわらず、猫は間断なく見つけられる。
台湾の街なかは総じて騒音が大きいが、それでも近寄るとたやすくバレてしまう。ちゃんと足音を聞き分けているのかな。
どちらも尻尾の短い子。4年前、この近くで会った三毛ちゃんの子供だったりして。
周辺を一回りして最初の路地へ戻ってきた。台湾は統一地方選挙の真っ最中で、いつもに増して騒がしく、あんまり粘ってもこれ以上は難しいかなと思っていたが、ふと振り向くとそこに猫がいるではないか。
今度こそ間違いなく人懐っこいキジトラ。8ヶ月ぶりー。
まさか近寄ってくるとは思っていなかったという顔つき。この直後、予定通り逃亡。
1時間近く歩き回るうちに雲が切れてきた。南北に延びる亭子脚に日が差して、ウッドデッキ風に改装された地面ではサビ猫がお昼寝中。
実はこの子、3月に来た時にも見かけて写真も撮ったんだが、その時は大雨だった上に夕方でかなり暗く、撮った写真がすべてブレてしまって、泣く泣くボツにしたのだった。きれいな姿をまた見られて嬉しいよ。
散歩を終えて駅前に戻ったのは15時ちょうど。瑞芳を離れる前にもう一度と、茶渦ファミリーのねぐらを見てみると、地面で毛繕いをしている黒白が目に入った。なお、庇の上には茶渦ファミリーが2匹写っているが、この直後、どちらも見えないところに潜ってしまった。
逃げもせずにこちらの出方を伺っている。どこかで子猫が待っているのかも。
瑞芳の散歩はこれでおしまい。このあと15:10発の嘉義行き区間車に乗って七堵を目指した。なぜ宿泊地(花蓮県萬榮郷)の反対方向へ向かうのかというと、台東行きの速達列車である432次普悠瑪号に乗りたかったからで、この列車は七堵を出ると宜蘭まで止まらないからだ。先日、新馬駅の急カーブで脱線転覆事故を起こしたのがこの列車(休日6432次)で、原因もはっきりしないうちに乗るのは気が進まなかったが、東部幹線の花蓮から先は列車の接続がとても悪く、432次に乗れば18:09に最寄り駅の瑞穂に着けるところ、それを逃すと21:23になってしまう。この日の宿泊地は瑞穂駅から4.5kmほど離れた瑞穂温泉というところで、駅前からはタクシーを利用するつもりでいたが、21時半の田舎駅でタクシーが客待ちしている可能性は低い。少しでも早く宿に入って休みたくもあり、432次普悠瑪号にはある種の悲壮感を持って乗ることにしたのだった。
長くなるので結果を書いてしまうと、この日の台鉄はダイヤが乱れ気味で、15:10発の嘉義行きは5分遅れてやって来た。七堵での乗り換え時間は5分しかなく、この時点で432次には間に合わないことが確定。仕方がないので後続の花蓮行き172次自強号に乗ることにして、夕闇迫る七堵では50分ほど予定外の散歩をすることになった。
次回の登場人物は七堵の猫たち。