台湾の東西南北の猫(17)


台南市の猫

 今日から明後日にかけて、香港と台湾をハシゴする2泊3日の旅に出ている。台湾以外の外国へ行くつもりはなかったにもかかわらず、今回香港へ渡ることにしたのは、香港版の新しいiPhoneが欲しかったのと、ついでに油麻地の忌廉哥クリームあにきに会いたかったからだ。以前も書いたように、香港版のiPhone(XRとXS Max)はデュアルnanoSIMなので、普段使っているIIJmioのSIMと、中華電信のプリペイドSIMを2枚挿しにして運用することを目論んでいたわけだが、2018年モデルのiPhoneはどれも値段が高すぎる上に、際立った特徴もなく、時期尚早と判断して買うのをやめた。クリームあにきの方も土曜日の訪問ではお店が混むだろうし、Twitterで垣間見る彼の生活リズムからすれば十中八九寝ているはずだ。つまり香港に行く意義はほとんど失われたわけだが、今さらチケットをキャンセルしてもお金が戻らないので、とりあえず行くだけ行くことにした。初日の今日は油麻地に泊まり、明日は朝から日中にかけて猫を探したあと、夕方の中華航空916便で台湾の桃園へ飛ぶ。台湾の滞在時間は短いが、台湾鉄路全線完乗を目指して、いくつかの未乗区間をやっつけてくるつもりだ。去年11月から続く台湾猫旅の記事は、この機会に3日間連続で予約投稿して完結させる。
 ……そんなわけで場面は2018年11月16日、台湾猫旅の最終日へと遷移する(前回の記事はこちら)。晴れの日が続いていた猫旅だったが、この日は朝から曇って日差しに乏しく、気温こそ25~26℃と低めだったものの、やたら湿度が高くて、歩いているだけで汗が吹き出てくる。細い路地が迷路のように入り組んでいる安平老街をくまなく探せば、台南駅まで軽く10kmは歩くことになると思われ、駅のコインロッカーにリュックを預けるつもりだったのに、待合室と後站にあったはずのロッカーが見当たらない。行李房(手荷物預かり所)は営業時間外で利用できず、やむなく背負ったままで安平老街へ向かったのだった。あとで知ったことだが、台南駅は地下化工事が始まっていて、駅構内のいくつかの施設はすでに撤去されていたようだ。
 赤煉瓦の路地は猫の巣窟で、しばらくは背中の重さも忘れられたけれど、それもかりそめのこと。
台南市の猫

「可疑的日本人來了(怪しい日本人が来たぞ)」
台南市の猫

「安呢、真稀奇啊(へえ、珍しい)」
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台南市の猫

台南市の猫

 なんかどんどん増えるぞ。
台南市の猫

 やっぱり安平老街には猫が多いんだねえ。スクーターの少ない朝のうちから来て良かったよ。
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「はあ」
台南市の猫

 地面の三毛はあんまり人懐っこくなかった。
台南市の猫

 ここは緑の多い路地。台南きっての観光地だけあって、掃除も行き届いてきれいだね。
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 君の毛並みもね。
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 近寄ってみると、凛々しい顔立ちのキジトラだった。
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 屋根の上の三毛も降りてきて、珍しそうにこちらを見つめている。日本人なんかいくらでも来るんだから、別に珍しくないんじゃないの?
台南市の猫

 全体的に赤っぽい街なので分かりにくいが、ここはさっきとは別の路地。行く手にキジトラが立ちはだかっていた。
台南市の猫

 ん? もう1匹いる。台南はキジトラが多いのかな。
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台南市の猫

 何か反応してよ。
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「ここに茶トラもいますよー」
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 大きな声で鳴きながら、短尾の茶トラも現れた。
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 指の匂いでご挨拶。
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 何だかよく分からないけど合格したっぽい。
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 とても人懐っこい子で、しばらく足止めを食った。
台南市の猫

 老街に猫が多いのは嬉しいが、いつまで経っても先へ進めないので時間が押してきた。狭い路地から抜け出ようとして急いでいると、暗がりに1匹発見。
台南市の猫

 向こうもこちらを見つけて目を丸くしている。
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 立ち去ろうとする黒を何とか呼び止めてもう1枚。緑色の目がきれいな子。
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 立派な門構えの廟所の前で、巡回帰りと思しき猫に行き会った。
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 急にカメラを向けられて、たじろぐキジトラ。このあと踵を返して路地の向こうへ逃げて行った。
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 安平古堡バス停をスタートしてから1時間が経過して、稼いだ距離はたったの400m。台南駅はまだまだ遠く、時間と体力はじりじりと減っていくのだった。続く。
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