一人暮らしをしていた時は留守を預かる猫たちが心配で、特に真夏の室温管理はかなり苦労した。拝島時代に住んでいた貸家のエアコンは古く、省エネなど考えていないだけあってよく冷えたが、機能的には乏しく、オフタイマーはあってもオンタイマーがないなど、猫の健康管理には心許なかった。足りない機能はサードパーティー製の多機能リモコンを使うことで補えたが、落雷などで停電してしまうと再起動は困難で、万一そうなった場合は、仕事を抜けてエアコンを付けに帰宅するほかなかった。西立川へ引っ越してからは、新しく購入したエアコンに無線LANアダプタがついて、スマホアプリで遠隔操作できるようになったので、そうした心配はなくなった。我が家のサチコは間もなく16歳になるが、生まれた時には影も形もなかった仕組みが、その一生すら終わらないうちに実現して、健康を守っているのだから不思議な気持ちになる。猫の人生も意外に長いものなのだな。
今日は寝不足を補うため散歩をお休みしたので、先日の奥多摩の続きを載せる(前回の記事はこちら)。氷川の集落で約2年ぶりに三日月君に会えたのは嬉しかったが、それ以外はぼちぼちで、かりんちゃんの家の前で見かけた黒白が最後の1匹となった。
ここで猫を見るのも何年ぶりという世界。あれは知らない子だな。
かんりちゃんの家と書いたものの、かりんちゃんは4年前を最後に見なくなり、ほかの猫も大方姿を消した。こいつの部下はとても少ないのではないだろうか。
唐突に場面転換。猫集落に移動したのは9時すぎだったが、見えるところに出ているのは、よく鳴く小柄な黒白のみ。
今日はほかに猫の気配がしない。ちょっと遅くなっちゃったし仕方ないかー。
猫民家のおじさんによれば、この子にはほかに2匹の兄弟がいたが、ハクビシンと思しき野生生物に襲われて、どちらもこの前日に死亡したそうだ。ずいぶん鳴く子だと思っていたら、そういう理由があったのか。
いつの間にかキジトラが現れて、そんな俺たちの様子を眺めていた。ハクビシンと猫は同じくらいの大きさらしいし、あれぐらいだと襲われないんだろうか。
最後にトカゲを咥えた三毛が通過して、この日の猫集落はおしまい。3月に会った時は妊娠しているのではないかと思ったが、お腹の様子に変わりはなかった。
この日はほかに三つの集落に立ち寄って、そのうち一箇所で猫に会えた。某巨大鍾乳洞近くの商店に猫影あり。
いつも(と言えるほどこんな奥地へ頻繁には来ないが)この場所で外を眺めている。呼ぶと返事する可愛い子。
しかし人懐っこくはなく、崖の斜面の階段を急ぎ足で上っていった。俺はこのあと奥多摩湖畔の原集落と山腹トリオの駐車場にも立ち寄ったが、どちらも猫に会うことはできなかった。