ここのところ梅雨寒で涼しい日が続いているが、湿度は高く、特に朝のうちは湿度100%を維持していることが多いので、散歩しているとかなり体力を消耗する。体温調節を発汗に頼らない猫たちは涼しい顔をしていて、恨めしく思ったりもするが、彼らは彼らでこの季節は蚊に刺されまくるし、食べ物も腐敗しやすく、健康リスクは高い。動物にとって梅雨というのは淘汰の試練に晒される厳しい季節だ。
今朝の天気は公称・曇りだったが、実際には霧吹きを吹いたような雨が間断なく降っていた。アメダスの雨量計は雨量0.5mmごとに枡で測る方式で、それ以下の雨量は原理的に検知しない。気象レーダーには高度2kmより低い雨雲が映らないし、小さな雨粒はレーダーエコー(電波の反射)が弱いのでやはり映らない。曇りのつもりで仕度したのに、外に出たら雨だったということは時々あって、今朝もそうしたパターンで始まった。
散歩コースは調布から京王多摩川まで。ひと月半ほど前、じゃれて遊ぶ子猫たちを見かけたものの、幼すぎて歯が立たず、もう少し成長するのを待って出直そうと思っていた。
調布駅をスタートしてほどなく、次第にしっとり濡れていくシャツに音を上げて傘を買い、5分ほど歩いて猫拠点に到着。前方に見える猫たちは子猫と呼ぶには少し大きいようだ。
去年8月、初めて会った時に生後4~5ヶ月だったので、今は1歳を過ぎたころ。体は成猫でも表情にあどけなさが残っている。
恐らくこちらがお母さん。出産シーンを見たわけではないので、絶対そうとは言い切れないが、黒白の母(oo)から二毛の娘(Oo)が生まれる可能性はある(ただし父親は茶猫(OY)に限られる)。二毛娘にはキジトラと黒の兄弟がいて、それらは優性のO遺伝子を持たない——つまり父親からY染色体を受け継いでいるので、どちらも遺伝子型はoYで性別はオスとなる。
肝腎の今年の子猫は見かけなかった。暗い朝なのでまだ寝てたかな。
5分ほど猫たちを構って再び歩き始めると、少し離れた場所に茶トラが縮こまっていた。
本来ならこのコースはあっちふらふらこっちふらふらして5kmくらい歩くんだが、霧雨の密度が上がってスタートした時より暗くなり、撮影に支障を感じるようになったので、まっすぐ京王多摩川へ向かうことにした。
それでも猫はぽつぽつと見つかる。
こいつはこの辺りでたまに見かけるボス風のキジ白。耳朶のギザギザが苦労を忍ばせるが体格はいい。
その顔つきを維持したまま逃亡。今朝は早々に散歩を切り上げて、歩いた距離は3.2kmに留まった。