猫と台湾鉄路(6)


高雄市の猫

 年内のまとまった休みは昨日で終わり、残すは28日の一日だけとなった。新年を自宅で迎えることはできるが、大晦日は夜勤明けで、元旦も夜勤なので、ゆっくり過ごすことは叶わない。とはいえ俺は9月の10連休と11月の6連休で休みすぎるほど休んでおり、それ以上のことは望んでいない。1月は4連休が2回あるので、年末の恒例行事である「猫入浴の儀」はその時になるだろう。
 さて、今日は滞っていた台湾猫旅の4日目、11月28日に会った猫たちを紹介する(前回の記事はこちら)。
 台湾鉄路の全線完乗と阿里山森林鉄路の乗車を実現するため、今回の猫旅は1日目から3日目をかなり犠牲にした。その結果、2018年秋の猫旅では3日目までに108匹もの猫に会えたのに対して、今回はわずか31匹に留まっている。ただ、そのお陰で台鉄の未乗区間は宜蘭線の蘇澳新~蘇澳(3.4km)を残すだけになったし、林鉄では初めてのナローゲージで盛大な横揺れを体験できた。その分、4日目からは本来の目的に立ち返り、ただひたすら猫を探すことに決めていた。
 前夜は高雄捷運の鹽埕埔駅にほど近い塩晶棧という宿に泊まり、洗濯なども済ませ、万全の体制で4日目の朝を迎えた。この日はまず徒歩で鼓山輪渡站(フェリー乗り場)へ向かい、旗津島を縦断して再び本土に戻り、前鎮輪渡站から高雄捷運の凱旋駅を目指す。鹽埕埔駅と凱旋駅の直線距離は4.4kmに過ぎないが、旗津島を経由するので移動距離は長く、航路を含めると16.9kmにもなる。
 まずは旗津島に渡るため鼓山輪渡站へ。1匹目との遭遇は7:10のことだった。
高雄市の猫

 こちらに気づいて尻尾ぴーん。あいにく俺はご飯の人ではないのだが……。
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 あれ? 尻尾下がっちゃった。
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 俺を嗅ぎ回るキジ白。昨夜は洗濯したので猫の匂いはついていない。それがむしろ逆効果だったか。
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 そして待機モードへ。何か出てくるまでテコでも動かない感じ。
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 細い路地の高みからこちらを窺う猫発見。どこにいるか分かるかな。
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 ほらいた。貯水タンクの左下。
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 警戒して奥へ引っ込んだところ。赤茶けた微妙な毛色だが、キジトラでよろしいかと。
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 鼓山輪渡站からフェリーに乗り、5分ほどで旗津輪渡站に到着。渡った先は旗津島と呼ばれる細長い島で、南北方向の長さが11.3kmあるのに対して、幅はたったの200m。高雄の臨海工業地帯を覆うような形状で、実際、天然の防波堤の役目も果たしているそうだ。旗津輪渡站はこの島の北端にあり、そこから猫を探しつつ南へ歩き、直線距離で5.2km離れた中洲輪渡站から再びフェリーに乗って本土に戻ることにしている。距離が長い上に細かな路地が多く、できるだけ時間をかけて歩きたいところだが、この日はお昼の飛行機で花蓮へ飛ぶのでケツが動かせない。遅くとも10時半には中洲輪渡站に着かなければならず、この時点で残り時間は2時間40分になっていた。
 船艙に隠れていた夥しい数のスクーターが陸上に吐き出される様は、ある種の昆虫が逃げ惑っているようで、一体どれだけ出てくるのかと呆れてその様子を眺めていると、目の前の茂みに猫が潜んでいることに気づいた(スクーター動画はこちら)。
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 スクーターがいなくなって静かな波止場。
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 朝ご飯を待つ黒白は、警戒はするものの逃げ切らない。
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 ……と思ったら、どこからか現れたキジ白と一緒に行ってしまった。ご飯の人が来たのね。
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「あなたも何か持ってきてくださったの?」
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 気温は21℃ほどで暑くも寒くもなく。猫は低いところにも高いところにもいる。
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 見返りのキジトラかと思ったらキジ白だった。台湾のキジ猫は本当に赤茶けたのが多いなあ。
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 老街の細い路地をさらに進むと、再び屋根の上に猫が見えてきた。先に視界に入ったのは手前の若い黒。
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 ほらいた。
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 見慣れない外国人を不思議そうな顔で眺めている。私は日本の猫好きですよ。
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 奥の方にいたキジトラもこちらに興味津々。
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 你好! 很高興認識你們(こんにちは! 君たちに会えて嬉しいよ)。
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 2匹はとても仲良し。俺も混ざって三者ですりすり。
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 黒は甘えっ子の片鱗が窺える。キジトラにカメラを向けていたら、僕も構ってーと言わんばかりに鳴き続けていた。動画はこちら
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 紙幅が尽きたので今日はここまで。次回もこの2匹から。
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