南の猫と北の猫(久慈編)


久慈市の猫

 どこへ行っても雨が降るというから家で猫を抱いていたのに、お昼ごろには日差しも降り注いで絶好の行楽日和になりやがった。しかもこの日差しはほんの短い間だけで、今夜から一週間に渡って雨がちに戻るというではないか。俺の貴重な一日をどうしてくれる日本気象協会め。今年はコロナだ何だでブログの更新頻度が低めなので、なるべく休載は避けたいんだが、この調子だとあと数日のうちに仕掛かりの写真が枯渇してしまう。返す返すもこの三連休は遠出したかった……。
 とはいえ日が暮れてからそんなことを悔やんでも始まらないので、今日は仕掛かりの中から沖縄東北猫旅の3日目(10月1日)、久慈編をお届けする。同じ日の前編である八戸・種市編はこちらをどうぞ。
 前日の9月30日は竹富島〜新石垣空港〜中部国際空港〜仙台空港〜八戸という2,500km近い大移動で、この1日からは旅の後半である東北の散歩へと場面が移った。朝は八戸市内の陸奥湊〜鮫、昼は県境を越えて種市というように、三陸海岸を鉄道で南下する旅だ。JR八戸線の八戸〜鮫は八戸経済圏というべきエリアで、人や物の行き来が多く、6時台から21時台まで19往復の列車が設定されているが、鮫〜久慈はその半分以下の運転本数となる。久慈から先は三陸鉄道となってやや持ち直すが、それとて盛までの全線を直通する列車は1日2.5往復に過ぎず、せっかくの機会なので三陸鉄道を全線踏破しようと思ってはみたものの、時間的な制約により宮古〜盛は断念せざるを得なかった。
 久慈には14:03に到着した。東日本大震災における久慈市の被害状況は、港湾関連施設に大きな損害はあったものの、居住エリアへの浸水は比較的少なくて済んだようだ。その場でいちいち調べることはしなかったが、建っている家の経年や更地の有無などで、そこが津波に洗われた場所なのかどうか、ある程度判断することはできた。
 猫の方は芳しくなく、最初の1匹を見つけるまでに40分近くを要した。
久慈市の猫

久慈市の猫

 首にバンダナを巻いているので近所の飼い猫だろうが、懐いてくれる気がまったくしないのはなぜなのか。
久慈市の猫

 一歩前に出たらこの有様。東北の壁は厚い。
久慈市の猫

 一方こちらは勝手口の三毛。きれいな鉢割れだね。
久慈市の猫

久慈市の猫

 念のため舌を鳴らして呼んでみたが、じっとこちらを見つめるのみ。美人はそれでよろしい。
久慈市の猫

 次の猫も民家に張り付いている。まだ15時なのにずいぶん気が早いね。
久慈市の猫

「ここにいると安心するんだよ」
久慈市の猫

 優しい人に面倒を見てもらっているのだろう。香箱は安心の証。
久慈市の猫

 川沿いの堤防は散歩道になっている。もっとも、行き交うのは人や犬が大部分で、猫は無闇に出歩いたりしないけれども。
久慈市の猫

久慈市の猫

「お前みたいのが現れるからな」
久慈市の猫

 大白斑の茶トラ白はなかなか近寄らせてくれない。ほら、いい子だね、おいでー。
久慈市の猫

「IWGさんの真似したって騙されないぞ」
久慈市の猫

 次の猫も大白斑。この辺の血筋かな。
久慈市の猫

 おお、これはポイント三毛さん! 竹富島で会った子(こちら)とはまた違った雰囲気だね。
久慈市の猫

久慈市の猫

 竹富島のポイント三毛と雰囲気が違うのは、この子がお母さんだからかも知れない。おっぱいが腫れぼったくなっているのは、子供たちが乳首を離さないからだろう。俺たちの立っている堤防が長内川を遡る津波の越流を防いでくれたので、ポイント三毛やその子供たちは今ここに存在できている。
 このあとも20分ほど歩き続けたがこれ以上猫は見つけられず、久慈駅に戻ったのはスタートから1時間半後の15時半だった。宮古へ向かう列車まで30分以上あったが、ホームのベンチで足を投げ出して休むほかなかった。ご多分に漏れずこの街も駅前の寂れ方が尋常ではなく、列車を待とうにも居場所がないのだった。
久慈市の猫


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