今日は終日雨だというので家でじっとしていたが、蓋を開けてみれば時折思い出したように小雨がぱらつく程度で、散歩には支障なかったし床屋に行くこともできた。多少湿っぽかったにしても、日差しのない涼しい日というのも貴重なのでもったいないことをした。暇ついでにサチコが眠りこけている隙に爪を切ろうとしたが、体に触れた途端に目を覚ましてしまい、どう説得してもイヤだというので右前肢の第5指だけ切って残りは後日にした。今日は台湾猫旅3日目(3月21日)の続きで南興集落で見かけた残りの3匹から紹介していく(前回の記事はこちら)。
屏東県の枋寮から始まったこの日の散歩はバスで中央山脈の南端を越え、台東県達仁郷の森永〜安朔、そして大武郷の南興へと北向きに進んできた。台東県の散歩地はいずれも排湾族の小さな集落で、当初は森永〜南興まで歩き通す予定だったが時間切れのため安朔からバスに乗り、南興に到着したのは13:18。もともとこれは南興を出発する時に乗る予定だったバスであり、つまりこのあとの散歩予定地である尚武か大溪のどちらかを削らなければならなかった。
どらちを選ぶかはあとで考えるとして、まずは南興猫の残りを。地面でお昼寝中の黒白にモデルをお願いしてみた。
飛び退きはしたものの逃げ切らずにこちらを眺めている。時間をかければ親睦を深められそうだが、あいにくバスの発車まであと20分。
黒白を諦めて建物の角を曲がると真正面に茶色いのがいてのけぞった。排泄中なのに禁を犯して撮ってしまったよ……。
基本的に食事中と排泄中は写真を撮らないようにしているんだけど、大胆な場所でやってるからつい。
四肢を伸ばしている時はかなり大柄に見えたけど、こうして見ると以外に小柄。うちのマコちゃんよりもやや小さいぐらい。
1時間10分という短い散歩で24匹もの猫に会い、バス停に戻ったのは14時半。さて次はどこへ行こうかとスマホを眺めていると、前方から巡回帰りと思しき猫がとぼとぼとやって来た。
一直線に歩いていく。この並びの大きな民家がこいつのねぐらのようだ。
そして自宅へ到着。南興で25匹目となる最後の猫はボス的風格の茶トラ白だった。
南興から北上するバスはすべて台東轉運站へ向かうと思っていたが、バス停に着いて時刻表を見ると、俺が乗るつもりの14:45発(8157路)は行き先が尚武とあり備考欄に「※東」と書かれている。※というマークを台湾でも使うことにやや驚きつつ凡例に目をやると「※學生放假日停」とあり、これが休校日運休を意味することは分かるが「東」が分からない。尚武止まりならそこで散歩した方が時間を有効に使えるが、その先へ行けるなら大溪の方が散歩地としては面白そうだ。
種明かしをしてしまうとこのバスは確かに尚武止まりで、その先へ行く場合も一旦尚武で降ろされるが、次の瞬間、看板を8137路に掛け替えて台東轉運站行きに変身する。要領の分からない俺は周囲に促されるまま再びバスに乗ってしまい、尚武を発車したバスは太平洋に面した美しい海岸線を一路北へ。30分後の15:15、俺は大溪のバス停に降り立っていたのだった。
大溪というのはバス停の名前であり、集落の名称でもあるが、至近距離に台鉄の瀧溪という駅もあって、今日歩いてきた集落の中では格段に交通の便が良い。予定外の行動をしても路頭に迷う心配はなく、ここで夕暮れまで散歩したあとは何に乗っても宿泊地の金崙にたどり着ける。ちなみにかつては尚武にも古荘という駅が存在したが、集落の中心から2kmと遠く、一日の乗降者数1〜2名という有様で2017年に信号場に格下げされている。
台東県の南端から北へ進むにつれて次第に民族色が薄れてゆき、ここ太麻里郷までくると人口に占める排湾族の割合は27%ほど。集落の目抜き通りも台湾の単なる田舎町のような佇まいに変わっているが、相変わらず猫は多い。
スリムな体形の渦巻きさん。ちょっとだけモデルになってくださいな。
キトゥンキャップは残っているけど、今回の台湾猫旅で初めての白。こんな暑い土地にもいるんだねえ。
地面を嗅いでいたのはまだ若いキジ白。逃げないでくれて助かるわー。
もう1匹はポンポンのような短尾。これらの違いは尾椎の数と形状によるもので、個体によってかなりばらつきがある(尾椎の数は4個〜26個の範囲とされている)。ちなみに台湾でも短尾の猫は珍しくないが、日本よりはやや少ない印象だ。そのうち過去の写真を見直して比率を出してみる。
大盛況の台湾猫旅3日目はいよいよ残り1回。大溪では何匹の猫に会えるかな(続く)。