年が明けたら行こうと思って、なかなかその気になれなかったフォーン君の公園に今日行ってきた。
2ヶ月前、老いと病でふらふらになっていたフォーン君に会って、その時たぶんこれが最後の逢瀬になるだろうと思っていた。あれは確たる根拠があってそう思ったのではなく、ささやかな生命の灯をともしている者同士が感じる勘のようなものだった。
「だから外れるかも知れない」。朝6時半前に家を出て青梅ライナーに乗るまではそう思っていたが、新木場から公園へ向けて歩いているうちに、その思いは強い北風とともにどこかへ飛んでいった。こんな寒さで持つわけがないのだった。
あまりの寒さにがたがた震えながら広場のベンチにたどり着くと、木の下で三毛が日なたぼっこしていた。
遠くで写真を撮っているうちからにゃあにゃあ鳴いて、しゃがんだら早速こちらへ寄ってきた。人懐っこさは相変わらず。
ていうか、寒かったらしい。雲がかかって日が翳ると途端に寒くなるので、冷え性の俺も助かるよ。
こんな寒いのに、犬を連れてフリスビーで遊んでいる人がいる。犬好きの人は元気だなー。人のこと言えないけど。
どこからか現れて、ベンチの下に収まったのは初めて見る子。フォーン君がいなくなって一人ぼっちかと思っていたけど、仲間がいたんだな。
この子も三毛。といっても茶+黒+白のスタンダード三毛じゃなく、クリーム+灰+白のように見えるね。あいつ、子供作っていたのかなあ。
仲は悪くないようだが、同性のためか、縄張りは微妙に違っているらしい。クリーム三毛はどこかへ行ってしまって、残った三毛は太陽に当たってのほほん顔。
この三毛の毛色は、クリームというよりミルクコーヒー色に近い。これは俺がいつもフォーンに分類している毛色だが、フォーン色も灰色も黒が変化した毛色であり、両方が同居することはあり得ないから、残るはクリーム色しかない。フォーン君も、本当はクリーム君だったのかも知れない。茶色系の見分けは難しいよ……。
にゃあにゃあ鳴くけど、あっちの三毛ほど人懐っこくはなく、カメラを近づけたら逃げてしまった。
寒さに耐えられなくなってきたので、お暇しようとしたが、どこまでもついてくる。離れたベンチに若いお兄さんが座っていたので、わざとその横を通り抜けてバトンタッチ。春になったらまた会おう。
今日の散歩の前半はフォーン君亡きあとの公園で終了。残りは後日。