3回目となる台湾猫散歩は無事に終わり、昨日の24時前に帰ってきた。全体的にはとても楽しい旅だったが、初日はスマホのトラブルと悪天候で散々だった。というのも台北に着いた直後、松山空港内の中華電信のブースでSIMを契約した際、係のお姉ちゃんと話しながらiPhoneをいじっているうちに、本来ホルダーに乗せて挿入すべきSIMをそのまま穴に挿してしまい、奥まで入って取れなくなったんである。今回の旅行では、Excelで作ったタイムテーブルや飛行機のeチケットなどなど、多くのことをスマホに頼っている。専用工具でもない限り絶対に取り出せないと分かった時点で、空港内でWi-Fiルータをレンタルすれば良かったんだが、その方法を思いつかないまま瑞芳へ向かってしまった。天気も芳しくなく、台北から乗った太魯閣号(特急電車)の車窓には雨粒さえ当たるようになり、およそ1年ぶりの瑞芳では、猫ではなく、iPhoneの修理店を探して彷徨うことになったのだった。
小さな街で修理専門店は見つけられず、いくつかの携帯ショップに駆け込んで、身振り手振りで事情を説明してみたが、どこも「ごめんね無理」と膠もない。最終的にはコンビニで見つけた歯間ブラシを駆使して自力で取り出したが、瑞芳に着いてから1時間半が経過していて、次の予定地の基隆は諦めなければならなかった。
iPhoneは使えるようになったが雨は止まない。しかし、再会したいと思っていた猫たちは、今回もいてくれた。
一段上の屋根から飛び降りて、1匹追加。ここの猫たちはみんな茶渦白(レッドクラシックタビー白)だと思っていたけど、茶渦もいたのね。
全部で4匹。前々回と前回と今回では、登場人物が微妙に入れ替わっているようだ。ここには何匹いるんだろう。
雨と風がやや強く、カメラを出すのは厳しい天気。猫はたくさん出歩いているのに、指を咥えて眺めるばかりだ。多少救いなのは、台湾特有の街屋建築がアーケード街を構成していて、雨宿りの場所に事欠かないこと。リュックからカメラを出せるのは、そこに限られた。
白斑がないので判別しにくいが、たぶんこの子は去年も会った子。あの時は指の匂いで挨拶できたが、今回は薄い反応だった。
台湾のアーケードを中国語で亭仔腳という(腳は脚の方言字)。本来は歩道として機能すべきスペースなのに、土地所有者や使用者が商品や什器を置いたり、雨水が入らないよう嵩上げしたりするものだから、歩きにくいことこの上ない。台湾の法律では、たとえ所有者であっても、公共空間たる亭仔腳を勝手に使ってはいけないそうで、例えれば分譲マンションの共用部分(廊下)のようなものらしい。要するに違法状態なわけだが、行ったことのある人なら分かるように、台湾中こうなので、警察も今さら取り締まらない。この写真に写っている中で適法なのは猫のみ。
黒スクーターと黒猫のナイスな組み合わせ。自分の毛色をよく分かってらっしゃる。
基隆で2時間半予定していた散歩は、iPhoneのすったもんだと雨のため中止したが、今度は時間が余ってしまった。瑞芳から2駅離れた暖暖媽祖廟の濡れそぼつ前庭に猫の姿はなく、行くだけ行った基隆も雨が強く、駅前の食堂で菜脯豬油飯を食べたら、ほかにすることがなくなった。基隆港を見下ろす丘を歩いてみたかっただけに残念だった。
花蓮行きの普悠瑪号(特急電車)は七堵を18:01に発車する。40分ほど前に七堵に着いて、駅から外に出ると雨が止んでいた。日が暮れてだいぶ暗くなっていたが、少しでも時間があれば猫を探すべきだと思い、駅の回りをぶらぶらしていると、道端を嗅ぎ回る猫に遭遇した。
こちらがしゃがむと、あちらも様子見モード。しばらく見つめ合ってみたが、何ら進展が見られないため、その場をあとにした。
夕闇の七堵はあちこちから猫の声が聞こえてくるが、なかなか見えるところには現れてくれない。しばらく歩いているうちに、ようやく通りに出ているのを見つけた。
お取り込み中のところへ割って入る無粋な猫グラファー。このあとナンパが成立したらしく、茶トラ白と三毛ちゃんは、スクーターで溢れ返る道路を渡っていった。
次回の台湾猫散歩は朝の花蓮から。