今日は夜勤で出勤前の散歩もしたが、猫じゃない方の業務が忙しいため、先日の台湾猫散歩の2日目から、玉里で会った猫たちを先に紹介する(前回はこちら)。
玉里は台湾東部に位置する人口25,000人ほどの小ぢんまりとした鎮(鎮は日本における町に相当)で、日本統治時代は「ぎょくり」とも「たまざと」とも読んだようだが、中国語ではユーリーと発音する。存在すら知らなかった小さな街に立ち寄ることにしたのは、台東で16:08発の列車に乗ることから逆算して、途中下車できそうな駅を物色していたところ、散歩にはほど良い規模の街だったから。乗り換え不要で時間のロスがないのも理由の一つだった。
1月10日10:29、花蓮から乗った普悠瑪号が玉里に到着し、最初にしたのはベルトを買うことだった。ズボンのウエストが大きくて、歩いているうちに下がってきて落ち着かなかったからだ。駅前の環状交差点を過ぎると、昔ながらの洋品店が目に入ったので迷わず入店。何種類かのベルトから適当なのを選び、女主人に手渡しながら、「俺は痩せているから切った方が良くないか?」と身振り手振りで尋ねると、お腹に回して、「ダイジョブダイジョブ、チョッキリヨー」。俺が日本人ということだけでなく、北海道出身とまで見抜くとは、やりおるではないか台湾人。買い物を済ませたあとも、ささやかなコミュニケーションの余韻で何となくもじもじしていたが、二人ともそれ以上通じ合える言葉を知らず、最後は掰掰と挨拶して店を出た。
玉里猫の1匹目はベルト購入後数分で発見。人目につかないところで丸くなっていた。
そんな俺たちの道路向かいには、暗がりで怪しい行動をしているのがいた。
花蓮を出た時は雲が厚かったが、徐々に明るくなって晴れてきた。冬とはいえ、南国台湾で日が差せば、あっという間に暑くなる。それを見越しているのか、猫たちも日陰で寛いでいるのが多い。
とある金魚屋さんの店先で見かけた茶トラ。とても体格の大きな子。
接近したらびっくり顔になってしまった。日本から来た猫好きの者ですよ。
「お母さんは見回りに行ったの。僕はここを見張っているんだよ」
確かにどこからか複数の猫の鳴き声が聞こえてくる。油断していると縄張り奪われちゃうね。
君は微妙な毛色だけど、明確なレッドが見えないから、キジトラでいいんだろうね。
時刻は正午を過ぎて、お昼寝タイムのはずなのに、猫たちとの出会いに収束の兆しは見られない。この街には玉里麺という名物があるそうで、お昼ご飯にしようかとも思ったが、ここでは我慢して敢えて何も口にしない。次の途中下車駅の池上で「池上鐵路月台便當」を食べなければならないからだ(しかも、あわよくば2個)。そのため、この玉里では2時間弱しっかり歩いて、猫を見つけて、充分にお腹を空かせておく必要があった。玉里空腹猫散歩は次回へと続く。