今日は台湾の続きを。
9月23日の朝、鹿港の老街を散歩して数匹の猫に遭遇したところまでは、前回の記事で紹介した。日本を出発した時から痛み始めていた偏頭痛が我慢ならないくらいに悪化していて、何とか員林客運6705路のバスで溪湖までは移動したものの、待合所のベンチで俺は進退窮まっていた。ここで6715路に乗り換えて西螺へ向かうつもりだったが、台湾の荒い運転に揺られて車内でゲボせずにいられる自信がなかった。
幸い、バスを待つ1時間ほどのうちに回復の兆しが見えはじめたが、行き当たりばったりの旅なのでミスも起きる。想定よりやや早い時刻に6715路がやって来て、とりあえず西螺には向かうことにして乗り込んだところ、これが見事に逆方向。行き先のLEDには「西螺6715彰化」と表示されているので、ぱっと見どちらへ向かうのかが分からない。道端のバス停と違い、あらゆる行き先のバスが同一方向に着発する轉運站ならではの落とし穴だった。できれば西螺の三珍醤油でお土産を買って、店番を喜ばせてやりたかったが、さすがに引き返すほどの気力はなく、次の機会に譲ることにした。
結局この日は彰化駅から莒光号に乗り、終点の七堵でさらに区間車に乗り換えて瑞芳に移動。いつもの宿に転がり込むなり、疲れ切った体をベッドに沈めたまま動けなくなった。
そして翌朝。
まだ朝早い時間だが、瑞芳駅に向かう人通りやスクーターは多く、猫は道端の隅っこに畏まっている。
台湾の学校にも給食制度はあるらしいが、クラス全員で同じものを食べるのではなく、店で好きなものを買って持っていく生徒も多いとのこと。そうした買い物の子供たちでごった返す瑞芳老街を避け、地下通路を通って前站へ移動。しばらく歩くと見覚えのある猫が見えてきた。
去年3月にも会った子。元気そうで何より。
こいつもサバトラと同じく去年3月以来。同じ場所で寛いでいるということは、さてはここは平和だな。
定点の貓咪街へとやって来た。朝から賑やかな場所だが、台湾の猫は慣れたもので、平然とした表情で人や車やスクーターと同居している。
「也有你的分。但是收費的(お前の分もあるぜ。有料だけどな)」
とても親しくしてもらっている猫(こちら)が瑞芳にいて、今回も会うのを楽しみにしていたんだが、あいにくこの日はどこかへ引っ込んで出てこなかった。車の下に似たようなのがいた気がするが、この辺りにキジトラは何匹かいるので、人違いだったかも知れない。
日本でも電線の地中化が進むにつれて、地上変圧器を見る機会が増えてきた。この緑の箱は台湾電力が設置したもので、箱の中には変圧器が格納され、箱の上では猫が寛げるよう設計されている。人懐っこいキジトラに初めて会ったのも、この箱の上での出来事で(こちら)、4年近く前のことが懐かしく思い出された。
次回も瑞芳猫が続く。